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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

IF

やあ、おはよう君は今から僕のゲームに付き合ってもらう。

なに、簡単なお遊びだこれから君には一日逃げ切ってもらうだけだ。ルールは三つ。

一つ、鬼に対しては何もしてはいけない。

二つ、スマホはなどの端末機を体から離してはいけない。

三つ、生きて一日過ごしてもらうことだ。では、これから君を追いかける鬼を紹介しよう。

 一人目は、そこらへんにいそうな見た目だがれっきとしたハッカーだ。こう見えてなかなか運動神経はいいんだぞ。さっき、言った端末機を体から離してはいけないのはこいつのためだからよろしく。

 二人目は、この女だ。こいつはいわゆるストーカーというやつだ。捕まったら何をされるか僕もわからないからしっかり逃げるんだぞ。ん?赤の他人なのになんでストーカーできるのかって?それは本人にでも聞いてくれ。まぁ、捕まったら君の負けなんだが。

 おっというのを忘れそうになったが鬼は君に対して何をしても許されているから気を付けるんだよ。君がスタートしてから十分後に鬼たちが動き出すから。それじゃあ、スタートだ。

 俺は、自分でもなんでこうなっているのかよくわかっていない。さっきまで家でパソコンでゲームをしていたら、突然黒い服を着た人たちが家に入り込んで無理やり連れてこられてしまった。この間ネットでのアルバイト探しで簡単そうな仕事があったからそれを申し込んだがそれか?何が何だかわからないままだが、始まってはもう後に引けないのだろう。一日、そう一日頑張ればこれが終わるんだ。

 とりあえずこの町の地図でもググりながら良さげなところで引きこもるとするか。俺は、とりあえずここから遠くに離れたかった。だが、いかんせん急に連れてこられたものだから金がない。だから、電車も使えなければタクシーも使えない。駅に行けば自転車があるからパクろうと思ったが全部鍵がかけられていてパクれなかった。最初の十分から二十分が経ったが誰かが俺を追ってきているような気配はない。

 現在は朝の五時。夜更かししてしまったから体が重くだるい。それに、さっき飲んでいたエナドリの効果も切れてきて眠気も少し出てきた。とりあえずもっと遠くに行ってそこで休憩しよう。一時間も歩けばいいか。

 それにしても今日は暑いな夏にしても暑すぎるだろ。お、あそこに電子掲示板がある。どれどれ、はぁ

39度かよ。あまりの暑さにげんなりしていると背筋が凍りつき舐められるような感覚に襲われた。恐る恐る振り返ると20メートルくらい離れたところに彼女がいた。俺が目を合わせてしまったばっかりにねっとり笑った。怖くなった俺は、その場からとにかく離れたくて走った。それと同時に誰かから見られているような感じもした。

 何とか振り切ったか?さっきのような視線は感じられなくなった。その代わりに疲れ、のどが渇いた。どこか休むところかコンビニはないか探すか。とわ言っても金がないな。いや、ATMで引き落とせばいいか。となると探すのはコンビニか。

 ちょうどあそこに見えるのはコンビニじゃないか。ラッキー!店内に入るとエアコンの風に体が喜ぶ。早速おろした金で水とアイスとカロリーメイトを買った。一息つきながら地図を見るとここから電車で移動すると田舎町に入るようだ。そこなら、あいつらにばれないだろう。そこにいれば一日くらいいけるだろ。そう思い駅に向かって歩いた。

 駅に行くまでにあいつらの気配や視線は感じなかった。それどこか田舎のほうについても感じなかった。そのせいか俺は少し余裕があるように思えた。いや、実際あるのか?わからない。ただこのまま逃げ切れるような気がする。

 太陽が赤くなってきた。それに、蝉の声も聞こえる。俺は地元の人に教えてもらったコミュニティーセンターのようなところで息をひそめていた。この時から、さっきの視線や気配がうっすらとしているように思えた。俺はきっと気のせいだろうと自分に言い聞かせてこの涼しい場所にいる。自分に言い聞かせるたびにだんだんと気配が強くなってきている。

 耐えられずに少し外に出ようとしたら自動ドアのところに彼女がいた。彼女はまた笑いこちらに向かってくる。この施設の出入り口は彼女がいた場所と反対側のほうに一つずつだ。俺は急いで反対側に走った。それと同時に彼女も走ってくるそれに伴って何かが空を切る音が聞こえる。反対側の出口が見えると同時に彼女とは違う視線が感じられた。出口付近には人影は見えない。周りは休憩や待ち合わせ用の椅子しかない。だが今はそんなことを気にしてる場合ではないすぐ後ろまで女が近づいているからだ。それに何か叫んでいる。

 俺は、施設を出てどこかもわからない地域を無我夢中で走った。どこまで行っても気配や視線から逃れられない。夏ということもありなかなか沈まない紅い太陽が俺の体力を奪っていく。時間の感覚は分からないここがどこかもわからない。

 気が付いたら周りが草木が茂っている場所にいた。ここは手入れをしていないようで雑草が3メートルほどある。ここに隠れればあいつらを撒くこともできるだろう。そう思い、奥に奥に進んだ。 

 しばらく進むと小さな小屋があった。ここに隠れるか。幸い奴らが近くにいるような感覚はない。ドアを開けると雪掻き用の道具と農業用の道具が置いてあった。俺は、ちょうどスノーダンプで体を隠すように隠れた。風も何もないここにいてはすぐに熱中症になってしまう。それに、さっきまで走って逃げていたからのども乾いた。もう少し息が整ったらここを出てどこかの建物にでも入ろう。蝉の鳴き声だけでこんなにも安心することなんてもうないんだろうな。

 さてそろそろ移動しようかな。ん?何か近づいてくる。いやでもここの周りは草木に囲まれていて草をかき分けてようやく見つけられるようなところだから見つかるはずわないはず。だよな?だんだんと草の揺れる音が近づいてくる。それと同時に心臓の音も大きくなる。背筋に伝わる気持ち悪い汗が俺を現実から離させてくれなかった。

「あれ~ここら辺に休憩用の小屋を事前に立ててもらったはずなんだけどどこだ~?運営の奴らもっとわかりやすいところにおいてほしいんだけど。今回の逃走車が見つけられなかったらどうするつもりなのさ。にしてもここまで私の好みのシチュエーションにしてくれたのには感謝しなくちゃ。」

 女性の声が小屋のすぐ横から聞こえる。この小屋に気づいてないのか?声と足音がだんだんと離れていく。俺の鼓動はまだ激しく鳴っている。呼吸をゆっくりするように意識をして自分を落ち着かせる。完全に落ち着きそうになったその瞬間車の音が聞こえてきた。

 真っ直ぐこっちに向かってくるのが地面の感触で分かる。ここから出れば俺は生きれるだろうがまたあいつらに追いかけられることになる。それだったらもうここでひき殺されて終わるのもいいのかもしれない。いやでも…なんてそんな馬鹿なことを考えている時間はもうないそれは自分もわかっているのに体が動かない。自分の死を覚悟した。もうだめか。こんなところで蛇ににらまれた蛙のようになりながら死ぬのか。

 車の音がだんだん遠くなっていく。助かったのか?けどさっきより音が聞こえるような気がする。その瞬間俺が身を隠していたスノーダンプが動いた。

「ハイ見っけ!ダメだよこんな怪しいところに隠れちゃ。私たちが作った罠かもしれないでしょ?まぁ、そうなんですけど。じゃあ、これからどうなるかわかるよね?ね?私のこと好きならわかるよね。相思相愛だからね。どうしたのそんな顔して。具合が悪いの?それとも何か怖いことでもあった?なんか言ってくれなきゃ私わかんないよ。ねぇ、何かしゃべってよねぇ」何かいろいろ言っているが俺はこんな女見たことないししゃべったこともない。初対面だ。それなのに相思相愛?なんて馬鹿なこと言うなよ。

 俺は怖くなり逃げようと彼女に背を向けた。向けてしまった。その瞬間俺の体に稲妻が走った。反射的に前のめりになる。痛い、熱い、痛いこれまで感じたことにない痛みが走る。そのまま、倒れる俺を彼女が横から蹴飛ばした。赤い空が見える。呼吸が苦しくなっていく。体もうまく動かない。足音が聞こえる。「逃げちゃだめだよ。君は私の彼氏だから。え~と、まだ生きてるよね?おっと~どれどれ~うん、まだまだいけるね。それじゃあこれから君を秘密の所に連れて行くから。お~い、医療班きて~」複数人の足音が聞こえ始める。俺の体はもう冷え切っている。意識もだんだん薄れていく中もう一度彼女の声が聞こえた。「あれ~もう駄目そうだね。う~ん行けると思ったんだけどな。しょうがないここでとどめでも刺すか。よっこいしょっとこのスコップなかなか重いな~それじゃあバイバイ」そう彼女が言うと俺の首元に鉄製のスコップを振り下ろした。

 「ありゃ~これじゃまだまだだな」誰かの声とともに再び意識が戻る。「あれ俺は死んだはずじゃ?」「あ、ようやく起きた。君以外はもう起きているよ。それにしてもなかなか薄い内容だったな。君も割と最後あっさり死ぬんだね。やる前は結構いきってたのにハハハ」?なにを言っているのかが分からない俺はさっきまで見知らぬ場所で人から逃げていて最後に女の人に殺されたはずじゃ。「これ記憶が混同しているな。最初にも言ったと思うけどさっきまではゲームだからね。まぁいっかそれじゃ君にはまた別の所に行ってもらうから」男がそういうと俺はまた目の前が真っ暗になり。どこかに連れていかれた。

夢で見たことを書きました。一人称視点とか三人称視点だったからめっちゃ怖かった。

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― 新着の感想 ―
番組か何かの企画で、ラストは日常的な種明かしで安心END……かと思いきや、まさかのバッドENDでしたか。 後味の悪さと、中盤での気味悪さが付きまとい、なかなかなサイコホラーでした。
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