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攻城

 冒険者連合とメイガス・ユニオンが睨み合い、さらに一ヶ月が経った。


 メイガス・ユニオンは未だに開城することも、調略することもなく、ひたすら攻撃に耐えていた。まだ物資の余裕があるのかもしれない。


 冒険者側も、優位性を保っているものの、やはり士気が次第に下がってきているのが目に見えるほどになってきた。また、物資の補給も上手くいっておらず、一部は襲われ、物資を奪われたという報告が挙がっている。調査した結果、どうやらメイガス・ユニオンの遊撃隊のようなモノがいるようだ。


 これ以上、戦争を引き延ばすわけにもいかないと考えた冒険者側が強行突破作戦を試みる事を決定した。内容としてはアナトを中心に、兵力を集中させ、展開している防御魔術の一点突破をするというものだ。


 無論、兵力を集中させれば包囲は薄くなる。そうなれば、反撃を喰らい、包囲網が崩れる可能性も捨てきれない。しかし、このメイガス・ユニオン本部さえ攻略してしまえば、戦争は終わったも同然。と考えるのであれば、防壁突破後は短期決戦でいかなければならない。


 また、気づかれてもならない。一点突破しようとしている箇所のみをさらに強化し、耐えぬこうとするからだ。簡単に、素早く、こちらの被害を最低限で突破するためには必ず気づかれてはならない。


 準備は一時間以内に行い、作戦決行から防御魔術突破に三十分。そしてメイガス・ユニオン本部攻略に最低三日。全てを短い時間で成功させなければいけない。それでもし、メイガス・ユニオン本部を攻略出来なければ──



 その日はやってきた。


 たった一時間で多くの冒険者が集まり、部隊を編成。陣形を組ませ、正面にアナトを置く。後方には魔術師が待機しており、魔術で支援出来る形になっていた。メイガス・ユニオン側もこちらの動きを読み取っているようだが、こちらの動きに合わせることが出来ていない。


 状況だけ見るのであれば、突破は容易と思える。


 さぁ、準備は出来た。あとは進むのみ。


 「行くぞ!進めぇぇぇぇぇぇ!!!!」


 アナトの叫びと共に、冒険者たちが突き進む。



 「ん?なんだ、なんだ!?」


 すぐさまメイガス・ユニオン側の魔術師たちも気づく。メイガス・ユニオンの部隊を任されているのdろう隊長格が命令を叫ぶ。が、もう遅い。


 「すぐさま反撃開始!向かってくる者たちを──」


 その時だった。


 展開しているバリアに向かって一斉攻撃が開始される。


 まず、後方にいた魔術師部隊が巨大な魔法陣を展開する。複数の術師は展開した魔法陣に魔力を集約させ、一斉に詠唱を開始する。それによって魔法陣に集約された魔力が熱エネルギーや、運動エネルギーに変換される。そして巨大な炎の玉や、まるで刃のように鋭い風が放出され、バリアにヒビを入れていく。


 そこへバリアのヒビへ向かって、侵攻する部隊の最前列にいるアナトやミトラ、ベスにアナーヒターと言った四大聖の力を持つ者たちが追撃を開始する。

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