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崩壊

 あれから一か月後の話である。


 トーゼツとメユーの二人はセイヘンを出て、南へ向かい、ハルドという小国へと向かっていた。


 国の領土は狭く、人口も少ない国である。だが、大国とまではいかないが、ある程度、力を持つセイヘンへと行くには通る必要がある国の一つで、旅人、商人などの往来の激しい国である。


 そのため、多くの異文化が流れ込み、商業が盛んに行われている。


 だが、それは首都や主要な街道であれば、の話である。


 現在、トーゼツ達が通っている道は、主要な街道から逸れたものであった。だからなのか、草木は生い茂り、歩きづらいほどに不整備。魔物もすぐに現れる。


 だが、こんな旅にとっくの昔に慣れた二人は軽い足取りで、目の前の敵を簡単に振り払いながら前へとひたすらに進んでいくのであった。


 「ねぇ、本当にこの道で大丈夫なの?もう、道かどうかも怪しいんだけど!」


 そのように、生えている草木を手持ちのマチェットで切りながら進むメユーであった。


 「んー、地図の通りに迎えているはずなんだけどなぁ。まぁ、先を急ぐ旅でもない。ゆっくり進むとしようじゃないか。それに、この調子でいけばあと数日で小さな村に着く。まぁ、宿屋なんてものがあるとは思えないが、空き家でも借りて、休ませてもらおうじゃないか」


 「上手く貸してくれると良いけどね」


 これは経験から来る話なのだが、今から向かっているような閉鎖的な村で、二人のような外部の者に対して、接し方が三種類に別れる。


 一つ目は、大歓迎してくれるパターン。これは単純に嬉しいし、かなり良いおもてなしを貰うことが多い。次に二つ目は、興味ないパターン。あぁ、冒険者さんですか。とあっさりとした対応だ。これに関しては、可もなく不可もなく、だ。問題は最後の三つ目だ。


 受け入れないパターンだ。


 やはり、閉鎖的で孤立しているゆえに、外部の人間を極端ンに嫌う者たちも少なくはない。


 そして、大抵の村の住民はこの三つのパターンに別れるうえに、人数がどちらかに傾き、多数の意見がどうなるかでトーゼツ達の扱いが変わる。


 大歓迎パターンの人間が多ければ、良し。興味なしパターンが多いのも、まだ良い。だが、拒否パターンはかなりつらく、その村をスルーして次の場所へと向かわなければならない。


 (今回はどっちになることうやら)


 なんてメユーが考えていると、二人はある気配に気が付く。


 (……?)


 それが何なのか、最初はハッキリしなかった。


ただひたすら、何かに見られているようで、こちらに接近しているようでもあり、だが果てしなく遠くに居るようにも感じていた。


 だが、数秒後、トーゼツは指輪に魔力を送り、空間に穴を開けると、そこから青い刃と赤い刃と対を成している双剣を取り出し、振り向くと同時に振り下ろす。


 すると、二つの何かが地面に叩きつけられ、ぐちゃり、と肉塊になる気持ちの悪い嫌な音と共に地面を真っ赤に染め上げる。


 そこには、二羽の鳥だったものがいた。


 しかし、ただの鳥ではない。


 魔力を帯びた、肉食の鳥。姿は鷹だ。だが、普通の鷹の数倍の体を持ち、感じる力強さも、弱肉強食の自然界の中でもトップクラスの風格を持つ魔獣であった。

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