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決着 4

 すぐに動き出したのは、トーゼツであった。


 これまで凄まじい攻撃に、術であった。だが、今回、厄災が発動しようとしている術がどんでもないものであると察知した彼は、その術を発動させまいと剣を握りしめ、駆け出す。


 「中級魔術〈炎纏えんてん〉!」


 走りながらも彼は魔術詠唱を始める。


 剣身を中心に魔法陣が展開。その後、魔法陣を通った魔力が熱エネルギーへと変換されぶわり!と空気を燃焼させて炎を生み出す。そして、炎が剣を覆う。


 だが、彼は追加での魔術も発動させる。


 「中級魔術〈魔力旋廻まりょくせんかい!」


 この魔術は本来、魔力をまるで竜巻のように渦巻かせる術である。それを敵に向けることで、相手をぐちゃぐちゃの肉塊になるほどに掻き込むものである。


 だが、今回トーゼツがその術をかけたのは魔力ではなかった。それは、剣に纏わりついている炎であった。そして、炎はにぐるぐると渦を巻いて剣を支柱に高速回転を始める。


 そうして魔術二つを展開、発動している間に刃の厄災のそばへと接近していた。


 そこからさらにトーゼツは詠唱する。


 「中級剣術〈断斬だんざん〉!」


 その下から上へと斬り上げる一撃は、重く、空気を切り裂いて進む。


 だが、その攻撃と同時に厄災の攻撃も開始する。


 「〈サイドラル〉!」


 その身を崩壊させながらも振り下ろす漆黒の一撃と、三つの術を重ねることで絶大レベルの威力にまで引き上げたトーゼツの真紅に燃える一撃が、ぶつかり合う!


 ボンッ!と強くぶつかり、その瞬間、ものすごい衝撃が空気を伝って周囲に物理現象を引き起こす。


 大地は揺れ、砂は舞い、強風がなびく。


 「ッ!」


 また、〈サイドラル〉がどれほどの一撃だったのか。トーゼツは全身が痺れたような感覚を覚える。また、膝が折れそうになったが、なんとかこらえた。が、地面がそれを耐えきれなかった。地面は陥没し、足がくるぶしの所まで完全に埋まってしまう。


 それでもトーゼツは足は折れない。


 だが、腕と脚はプルプルと震え、今も必死に正面から〈サイドラル〉を押し上げている。


 まだ持ちこたえている。数秒後、数十秒後もまだ大丈夫だろう。だが、一分後、数分後となるとトーゼツが耐えきれているかどうか、分からない。


 トーゼツが先に押し負けるか。それとも、刃の厄災の肉体が完全崩壊するまで耐え抜けるか。


 すぐさまアナーヒターが魔術を発動させようとする。


 彼女は魔力を用いて空中に魔法陣を描く。


 「絶大魔―」


 そうして、唱えようとしている最中であった。


 ズキンッ!と脳を駆け巡るように痛みが奔り、彼女の詠唱を中断させる。そして……


 「ォァ!!」


 口からいっぱいの血が飛び出る。


 無理もない。もう使える魔力なんてとっくに枯渇している。脳もだいぶ負荷をかけた。これ以上は低級レベルの魔術も使用できないだろう。もし、使用するとすれば刃の厄災のように自分の命を賭けて発動させなければならないだろう。

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