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外界の者 14

 一体、何が起こっているのか?この屋敷を訪れてからずっと驚き続きのミトラであった。それに対し、やはりこのような状況に慣れているのか。トーゼツとアナーヒターは何事もないように、ティーポットからお茶をカップに淹れて飲み始める。


 「そういえば、二人は知っているかもしれないけど、初めましてのミトラもいるし、自己紹介をやっておこうか、私の名前はアニマ・ムンディ。アニと呼んでくれて構わないよ」


 急に誠実な挨拶に「あ、えっと……」とドキマギしながらミトラも軽く会釈しながら「私はミトラ・アルファインです、よろしく」と挨拶で返す。


 「俺たちは別に良いだろ?前々から知ってるんだし」


 「そうそう、トーゼツの言う通りだ。何回もアンタの問題事に巻き込まれているんだって話。私も挨拶する気も起きないな」


 かなり二人はドライな対応であった。


 アニとの間に本当、何が起こったのだろうか?


 「寂しいなぁ、これでも二人のことは大好きなんだけど……まぁ、いっか!」


 負けじとアニのテンションも高いままだ。


 そのようなやり取りをしている最中、屋敷の奥……廊下に繋がっているドアがガチャリと開き、ロビーに入ってくる二人のスーツを着た男がいた。


 「ようやくまともな話が出来る奴らが来たな」


 アナーヒターはそう言って二人の男の方へと意識を向ける。


 「よぉ、待たせたようで悪いな」


 そのように声をかけるのはかなり見た目の若い男であった。もちろん、年齢というのは外見だけで判断するのは難しい。だが、その見た目は明らかにトーゼツと同じくらいか、それよりも下の年齢のようであった。そしてもう一人の方はなんと、ミトラも知っている──というよりも会った事のある人物であった。


 「あッ!アンタは──」


 西方にある国、セイヘンで出会い、トーゼツの剣を砕いてしまった謝礼に神代の遺物(アーティファクト)を買った時の、あの商人。


 「お久しぶりですね、皆様。また私の武器を買いに来たのですかな?」


 アブル・ヘイフォンであった。


 「ヘイフォン、今日はそういう感じでは無さそうだぞ」


 そうして若い男はトーゼツを見る。


 「……へぇ、あの時の小僧がこんなに強くなるとはな」


 「職なしでも頑張ってここまで来たんだ、褒めてくれたって良いぜ?」


 「そうだな、いつか一緒に美味い飯でも食いに行きたいぐらいには強くなってるぜ」


 そう言いながら、彼はアニの隣に座る。


 「どうやら初めましての奴がいるな。俺の名前はリゾーマタ・ネイコスだ、よろしく」


 そう言いながら柔らかい表情と気さくな雰囲気でミトラへと手を伸ばす。


 「私の名前はミトラ・アルファインです、よろしくお願いします」


 彼女はアニと同様の挨拶を行い、ネイコスの手を取ると軽い握手を済ませる。

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