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天変地異 3

 アナトは次の質問をしようとしたが、それをアムシャがアナトの言葉を邪魔するように発言する。


 「さて、今度はこっちの質問だ。お前らの名と存在を聞きたい。そっちのツノを生やしたお前も気になるが、とりあえず厄災関連だってのは分かる。だからこそ、そこの槍の女。お前が一番気になる。ただの人間じゃないだろ?」


 本当かどうかはともかく、アムシャは質問に答えてくれた。ならば、こちらも答えなければならないだろう。


 「……名前はアナト・サンキライよ。私はただの人間。まっ、戦神と呼ばれたり、神代の終末者とも言われているわね」


 「なるほど、なるほど。そういうことか」


 一体、彼女の何の発言で合点がいったのか。分からないが、とにかく納得した様子であった。


 「どうやらアナトの計画のなりそこないか。それで?お前はなんだ?」


 次にアムシャの意識はサルワへと向けられる。


 「私はサルワ。父たる悪神を超える厄災だ!」


 とても身の丈にあっていないような発言に、コイツは何を言っているんだ?と思ったアナトであったが、それに対しサルワの反応は──


 「ほう!?そうきたか!お前も面白い。だからそんな気配を漂わせているのか」


 サルワに対しても納得のいく答えを手に入れたようだ。とても満足した表情であった。


 「それで?アムシャを名乗るアンタは何しにここに来たわけ?」


 「面白そうな奴の気配があったから確認しに来たっていうのと──」


 その発言と同時に、二人の体が動き出し、気づけば槍、サルワはセプターを構えアムシャを攻撃していた。それは攻撃していたアナトのサルワ本人も分からなかった。


 それは死を恐れる本能。


 アムシャの放った殺気を二人が動かしたのだ。


 そして、アムシャはその振り下ろされたセプターと槍を軽々しく受け止めていた。


 「ようやく封印から覚めた、いわば寝起きだからな。ちょっと運動したい。ってのは建前で面白そうな奴らはつまみ食いするのが良いに決まってるだろ!」


 アムシャはセプターと槍を押し返すと、アナトには蹴りを。サルワには右拳で素早く反撃をする。


 「結局は敵ってことか!!だったら二人まとめて倒してやる!」


 アナトは槍を魔力で宙に浮かばせると、空いた両手に魔力を込め始め、自身を中心に地面にいくつもの魔法陣を展開する。


 (またあ絶大級の術か!しかも、あの魔力量……とてつもない規模の術だな。一気にアムシャを私を倒そうっていうのか!)


 そのように判断したサルワは急いで駆けだす。


 これまでの無詠唱、無魔法陣で発動させていた絶大級の術よりも威力、規模の大きい術となれば発動に時間を要するに決まっている。であれば、発動前に止めれば良い!


 しかし──


 「おいおい、せっかくアナトの技を見れるんだ。そんな無粋な事をするなよ。厄災!!」


 そこにアムシャが攻撃して来る。


 何処から取り出してきたのか。分からないが、彼の手には一本の剣が握りしめられており、その刃でアムシャに斬りかかってくる。

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