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メイガス・ユニオン 6

 視点は変わり、そこは外壁周辺。アナト率いるチームが巡回している場所であった。


 「東方面はどうだ?」


 アナトもまた術が刻まれた木の札を使って仲間と連絡を取り合っていた。


 『侵入された形跡はありません』


 「了解、北方面はどうだ?」


 『こちらも異常はありません!』


 「了解、では引き続き巡回にあたれ」


 そうして、アナトは木の札に魔力を送るのを中断し、連絡を切るのであった。


 「如何なさいますか?」


 一緒に行動していた冒険者がアナトの命令を催促する。


 「外側で見たあの四人はまだ侵入してきていないのか?だが、突然姿を消して行方を(くら)ませたんだ。入られていると考えた方が良いのかもしれないな」


 アナトはそのように口に出すことで適格に情報を整理、分析していく。


 自分はどうすれば良いのか?外壁周辺の警備レベルを下げて、ミトラチームを助けるために街中の方へ一部の冒険者を向かわせるべきか?


 だが、本当にまだ侵入していないだけという可能性も……


 そのように思考している最中


 「はっはっはっはっはっはっはァァァァァァァ!!!!!」


 高らかな笑い声を出し、空から降ってくる男がいた。


 「アナト様、空から変態が!」


 「例の侵入者か!?お前ら、下がっていろ!」


 そういって、アナトは右手の人差し指に嵌めていた指輪に魔力を送る。すると空間にヒビが入り、穴が開く。そこに手を突っ込むと一本の槍が出てくる。


 そこから槍を構えて、強く地面を蹴って高く飛び上がる。


 「はっはァ!そっちから来てくれるとは助かるねェ!!」


 空から落ちてくるその男は和洋折衷な服装をしていた。また腰に差していた刀を鞘から引き抜くと、向かってくるアナトに向けてその鋭い先で強く突こうとする。


 しかし、アナトは強く、素早い動きでその突きを薙ぎ払う。そして、腹部にめがけて蹴りを入れるとそのまま地面に向けて男を蹴り下げる。


 ボンッ!と強い衝撃が地面を奔り、距離を取っていた周囲の冒険者にもそれがどれほどの威力の蹴りだったのかと感覚で分からされる。


 石畳の地面は砕けて土が垣間見える。それと同時に土煙も舞い始め、男がどうなったのか視認できなくなる。だが、これほどの蹴りで落とされたのだ。打ちどころが悪ければ死もあり得るだろう。


 だが──


 「はっはっはっはァ!良い槍払い、良い蹴りだッ!さすがは最強の冒険者、現代に生まれた戦神!これほどじゃなければ楽しくない!」


 刀でその土煙を払い、仁王立ちでそこに男は立っていた。


 「ったく。さっきので死んでないのね。しかも蹴られて喜ぶとかドMですか?」


 本当に変態が空から落ちてきたんだな、と思いながらアナトは槍を構える。


 「可哀想に。早く倒して信頼できる医者に治療させてあげるよ」


 「なぁに、心配は要らん!何処も怪我はしておらん!万全、戦闘継続可能!」


 男はガハハと豪快に笑いながら刀を持ってアナトに接近していく。


 「頭の話だよ、馬鹿が!!」


 男は刀を大きく振り上げ、アナトへ向けて勢いよく振り下ろす。アナトは逆に下から上へと槍を払い投げる。


 そしてガキンッ!と強くぶつかり合い、さらに激しい戦闘へと発展していくのであった。

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