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メイガス・ユニオン 2

 二人はミトラに昨日、別れた後にあった事を軽く話したのちに、今は何処に向かおうか考えている最中であると説明する。


 「あぁ、なるほどね。私もアフラ様から話は聞いていたけど、本当に特異課に入ったんだね。あんなゲテモノ色の強い場所に」


 ミトラの反応は凄く信じられない、ありえない、馬鹿じゃないのか?と言った表情でトーゼツを見ながら言う。これからお世話になるであろう配属場所をそんな言い方するとはなんて酷い奴なんだ!


 と思いながらも昨日の記憶を(さかのぼ)ってみる。ポットバックに初めましてで矢を放たれたり、そんなポットバックをべスが問答無用で殺したり、自分もまたべスに殺されたり、殺されたかと思ったら、また殺されて……そこからまたもや殺された…………。


 確かに倫理観や常識の崩壊したゲテモノの場所だったかもしれない。


 「お前の言う通り、なんで入っちまったんだろうな……」


 なんだか後悔が募って来たし、改めてあの場所に配属する事を勧めてきた調和神アフラへ怒りがふつふつと沸いてくる。


 だが、もう手遅れ。意味のないことである。であれば、どうしてこうなってしまったのか。と考えるよりも、このヤバい特異課を如何に自分の都合よく利用出来るか、という点を重要視した方が良い。


 そのように断ち切れない後悔をしている心に言い聞かせている最中、アナーヒターがミトラへと質問する。


 「そういえば私たちはこれまで通り、旅をする感じで変わらないんだけど、ミトラはどういう状態だい?ほら、連続で厄災討伐任務を受けていたわけだし、しばらく休暇って感じ?」


 その言葉に対し、ミトラは「はぁ〜」と深く溜め息をつく。それは質問したアナーヒターに対して向けられた溜め息ではなさそうだ。


 「なんだか新しい任務が与えられた感じだね。今度は何?また厄災討伐?それとも──」


 「いいや、そんなに面倒くさいことじゃないよ。それに実質、休暇みたいなモノさ。だけど、この神都から出られないくてね。そう、あの、ちょっと、ね」


 「言えない任務、か」


 調和神アフラから与えられた任務には他者へと喋れない任務である事が多い。今回の支配の厄災の件だって外部には漏らせない事だし、アナーヒターでさえも把握していない事があるだろう。


 「なおさら気になってくるよな、そんな風に誤魔化されると」


 トーゼツはようやく後悔から立ち直れたのか、ミトラとアナーヒターの会話へ入ってくる。


 「まぁ、言っても良いかな。二人には言っても問題はないだろうし」


 「おっ、マジかよ。言ってみるもんだな」


 自分で気になると言っておきながら、本当に教えてくれるとは思っていなかったトーゼツは改めて姿勢を正し、ミトラの言葉へと耳を傾け始める。


 「分かってると思ってるけど、他言無用でお願いね」


 そうして、周りに聞き取られないレベルの声量でミトラは話を始める。

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