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神都 5

 すぐさまミトラはその任務を拒否しようとするが、言う前にアフラが続けて話す。


 「もちろん、あなたの単独ではありません。それに今、厄災討伐を仕掛けるのにもちゃんとした理由があります。まずは詳細を聞いてから、任務を受けるかどうか判断してください」


 そのように言われてしまったミトラはとりあえず、聞く態勢へと戻る。


 「分かりました」


 「ありがとうございます」


 そうして、アフラに二枚の任務内容の書かれた紙を渡す。が、アフラの口からも任務詳細が語り始める。



 まず一つ目の任務である術聖の招待及び連行について。


 その魔術師の名はエルドと呼ばれる十六歳の少年。とある国の事件をキッカケに才能が開花、術聖になる可能性が生まれた。そのため、冒険者連合の規定に乗っ取り、術聖を連合本部へと招集。本人の同意が得られれば特殊冒険者として即座に認定することが決定された。

 剣聖ミトラ・アルファインは彼を神都までの案内すること。もし同行の拒否があった場合、その事情を聞き入れること。拒否の理由がある程度、正当性のあるものならばその理由を書いた書類を冒険者連合本部まで送る。もし正当性のない理由ならば説得する。



 二つ目の任務である厄災討伐について。


 近年、厄災の活発化が確認されている。これまで三百年周期だったのを踏まえて考えると数十年早い活発化である。これについて調査を行った結果、悪神の封印が緩くなっていることが影響されているということが発覚。悪神の対応については検討中である。しかし、このまま活発化する厄災を放置するわけにもいかないため、残った八つの厄災を半分まで減らすことを目標とする。

 ミトラ・アルファインは特殊冒険者アナトと共に南方で活動開始した支配の厄災討伐する。支配の厄災は二週間以内に南方諸国の一つ、スールヴァニアへと侵攻すると予測。被害を最小限に留めるために二週間以内を討伐目標とする。また、討伐出来ないと判断した場合、活動停止まで追い込むことを優先とすること。



 以上が紙に書かれていた内容とアフラの口から説明されたものであった。


 「うーん、所々気になる点があるけど、やっぱり一番は悪神の封印の件だな。緩くなっているってことは近々、復活する可能性が?」


 悪神なんて神話上の存在、物語でしか聞かないものだ。


 だからこそ、封印が緩くなっていると言われてもあまり現実感がない。今のところ、焦りもなにもない。しかし、悪神から生まれ落ちた厄災が強さを知ってしまった。 ならば、その生みの親はきっと今の人類では太刀打ち出来ないだろう。


 もし十年後に封印が解ける、なんて話になったら今すぐに対策を講じなければならない。


 「そこまでは分かりませんが、封印状況を考えればあと千年は持つでしょう。しかし、現在の状況だけで判断すれば、の話です。さらに封印が緩くなるような事が起きるかもしれません。具体的には大きな地震や大気の変動……この星の環境によっても変わりますので」


 なるほど、であれば私が心配することではないだろう。


 地震などを予測できる学者ではないし、そもそも悪神の封印場所を知らない。アフラの意向よって封印場所は一部の者にしか知らされていない。


 そんな自分が調べることはないし、考えられることもない。

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