ステータス確認。そして始まり。
○○○○○ Lv.1
HP 10/10
MP 0/0
筋力 13
耐久 10
器用 25
敏捷 25
魔力 0
運 10
??? 0
SP 10
職業 なし
固有スキル 拳Lv.1
スキル なし
称号 転移者
ふむ。これが今のステータスか。ふむ。ふむふむふむ。……面白い。やばい、まじでゲームじゃん。確認したところ、魔力が0なのはすごく残念だが、まぁ後々増えるだろう。???ってなんだ?そしてSP……。これ絶対あれじゃん。今使ったらやばいやつじゃん。どうすれば増えるかもわからないし、まだ使わんとこう。固有スキルは……。拳かぁー……。多分殴る攻撃とか拳関係のやつに補正が入るんだろうけど、殴るっていったら超近づかんかったらダメじゃん。さっきまで普通に中学生してた俺にはちょっとキツくね?さて、これからどうするべきか。このまま、ここに留まって偶然助けてもらえるのに賭けるか。いや、ダメだな。食料のない今、水だけでもまずは見つけなきゃ。
「……動くしかないかぁ~。」
そして、十二時間後。
「無理だ。もう無理。喉からっから。腹減ったし、もう動けん。」
俺はこの状況を解決できるかもしれない策をすでに思い付いている。そう、SPだ。SPの文字にタッチすると、習得可能なスキル一覧が表示される。その中に、光合成(特殊)というスキルがあった。どうやら、このスキルは光を吸収し、活動に必要な食料や水に変えるスキルだ。まるで、神が俺のために用意してくれたようなスキルだ。ただ、今あるSPが10に対してこのスキルはSPが10必要。つまり、全て使いきることになるのだ。どうする、どうする○○○○○。……ポチ。
《スキル:光合成(特殊)を習得しました。》
《これにより、ステータスに光エネルギー残量を追加します。》
押してしまった。でもこれで。これで生き延びることができるはず。そうだよ。死ぬよりましだよ。うん。そして、今聞こえてきている声は多分空耳だ。今、疲れてるからなぁ。
「おーい。大丈夫かぁ。こんな時間に小せぇガキが何してる。ほら、早く帰るぞ。」
……ありがとうだけども、もう少し、後二秒早く声かけて欲しかった。
「すみません。道に迷ってしまって。」
「ったく。気を付けろよ。何歳だよ。」
「十四歳です。」
「ほら、さっさと街に帰るぞ。お前、家どこだ。」
「……。ないです。」
「はぁ~。お前捨てられたのか?ってことは、金稼ぐ手段もないんだろ?また面倒なやつを拾ってしまったよ。最近多いからなぁ。とりあえず、街に戻るぞ。」
「はい、わかりました。」
そして俺は、右も左もわからない土地で、知らない大人についていくという、危険なことをやらかしたのであった。