誕生!女神の騎士
誤字脱字があるかもしれません。申し訳ございません。
1
「馬鹿らしい」そう呟かずにはいられなかった。
なぜ人間は都合のいい時だけ神様に祈るのだろうか。
例えば、野球の試合でホームランを打てば勝てるという場面。そんな時は誰しもが神に祈るだろう。それでホームランが打てれば申し分無しなのだが、仮に打てなかった場合神様は嘘つきと思うかもしれない。神様は非常に悲しい存在なのかもしれない。
2
今日はオレが最近楽しみにしている漫画の最新刊の発売日だった。心を踊らせながら着替えを済ませ、外に出ようとした時だった。「ピンポーン」とチャイムの音がなった。「んだよ、こんな時に。早く買って読みたいのに」オレは深いため息をつきながらモニターに向かった。そのモニターを見て唖然とした。そこに居たのは小さな女の子だったのだ。「女の子?うちになにか用があるのか?」小さな女の子を無視できるような強心臓の持ち主でもない。仕方がなく出ることにした。ガチャりとドアを開けその子を見る。「どうかしたのかな?うちに用があるの?」優しく声をかけてみた。が、反応はない。さすがに怖いのかもう少し柔らかく尋ねてみた。「お母さんと離れたのかな?」それでも女の子は無言を貫く。こちらとしてはこれから用事があるのにこのままでは困る。すると女の子は急にこんなことを口にした。「あなたは赤木翔さんですよね?女神様がお呼びです。私と共に天界へ来てください」
「はい?女神様?天界?何言っんのか分からないが暑さで頭でもやられてんのか?」夏といっても真夏の8月、さすがに頭がおかしくなるのも無理はない。
「失礼な!!私は女神アレンティア様に仕えるものです!ここで立ち話しててもキリがありません、ちょっと来てもらいますよ!」そう言うと半ば強引に俺の手を掴み何かを唱え始めた。「ちょっとま...」そんなオレの言葉は凄まじい轟音と共に消し去られた。
3
目を開けるとそこには信じられない光景が広がっていた。まるでひとつの国のような光景だったのだ。近くに川が流れ、店などが立ち並んでいた。「いつまでボーとしているんですか。早く行きますよ」そう言うと手を差し伸べてきた。その手を掴みながら少女に尋ねた。「いたた、ここはどこなんだよ」
「ここは女神アレンティア様が作り上げた国、アスフォードです。様々な種族の方々が暮らしています。」
「さっきから言っているアレンティアって誰なんだよ」「様をつけなさい!アレンティア様は喜びを司る女神様なのです。」「喜びを司る女神か。あんまりピンとこないな。」「でしょうね。なので今から実際に見てもらいます」そう言うとまたもやオレの手を掴み何かを唱え始めた。すると一瞬で目の前に大きな城がでてきた。「こりゃ、すげーや」白をベースとした華やかな城でまるでおとぎ話の世界のような城だった。「アレンティア様がお待ちです。行きましょう」オレはそんな小さな女の子の後ろを静かについて行くことにした。
4
俺は女の子についていきながら疑問に思ったことを口にする。「そういえばお前の名前はなんだ?俺の名前を知っているんだからオレにも知る権利はあるよな?」
「はぁ、私はアレンティア様に仕えるルーシャと言います。これからルーシャと呼んでください」「んじゃ、聞くがオレはなぜここに連れてこられた?」「質問が多いですね。その疑問は今から分かりますよ」そう言うと大きい扉の前に来た。明らかに今までとは違う雰囲気に思わず息を呑む。「失礼します。アレンティア様。赤木翔さんを連れてまいりました」そう扉の前で言うと扉が大きな音を立てながら開いた。
そこに居たのは白い髪に大きな瞳の綺麗な女性が座っていた。「ほら、あなたもひざまづきなさい」オレはその美しさに思わず見とれてしまっていたらしい。オレも急いでひざまづく。するとアレンティアからは思いもよらない言葉が出てくる。「ルーシャちゃーん!
よく無事に戻ってきたわ〜えらい!」ルーシャの頬をスリスリしながらアレンティアは言ってきた。「あなたが赤木翔くん?よろしくねぇ〜」とんでもなく可愛い笑顔で言ってきた。「え、あ、はい...」オレの想像と全然違っていた。もっと固く怖いと思っていたのに、なんて女神らしくない(良い意味で)人なんだ。「ルーシャちゃんはもういいわ、お外で遊んでいらっしゃい〜」「はい、では失礼します」そんなことを言ってルーシャは出ていってしまった。それから少ししたとき、
アレンティアから笑顔が消え急に真剣な表情でこう言ってきた。「あなたにこの国を救ってもらうために呼んだのよ」と。
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