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別に嫌いではないよ?英雄個人はね

お久しぶりです。(待っててくれた人がいたならありがとうございます)大変お待たせいたしました!相変わらず短めですみません……。



「それは何ですか?」

「………………通信用魔法石」

「通信用……。もう完成しているんですか?」

「…………試作段階」

「ルウちゃん嘘つき〜。もう魔族領内なら不自由無く使えるレベルになってるって3バカ言ってたよ?」

「……(後で絞めてやる)嘘じゃ無い。人間領まで行かれると、通信できない。一方的に発信だけ」

「十分だと思うけど……」


はーい。皆さんこんにちは!

前回英雄に一緒に過ごしたいと言われたルチェちゃんだよ〜。……ああ、自分で言っててまた鳥肌たちました。うええ。

何で印付かなかったんだよバカー!


……現在地は魔王城の私の研究室。

研究の邪魔をしない、私のやりたいことの邪魔をしない。その2点を必ず守る事を条件に魔王様は城内での私との行動を許しました。ありがとう魔王様。お陰でこうやって作業をしている間は英雄は大人しく、魔道具についての質問をするに留まっています。

英雄は私と2人きりをご所望だけど、私が人間嫌い発言をしたら、魔王様が英雄の護衛という名目でフィルトを付けてくれた。英雄の護衛という名の、私の精神安定剤だけどね。


「リーンフェルト様は何故ルゥにご執心なのですか?」

「私を見て、好意を抱かないどころか明らかに避けまくって時に嫌悪すら見せるのは彼女が初めてですから」

「……貴方が嫌いというより、ルゥは人間が嫌いなのだと思いますが」

「…………同意。人間、嫌い」


だから早く人間領に帰って欲しい。切実に。

理由が聞きたいらしい。人間にもいい奴と悪い奴がいるし、一方的に人間というカテゴリで一括りにして嫌うのにはそれ相応の理由があるのだろうと。前にフィルトが釘を刺してくれたけど、あれくらいでは英雄にとっては釘ではなく棘レベルだったらしい。

……私にとっては、その良い奴も悪い奴も、全く同じだ。どれだけ善人でも、私が黒髪の人間である限り、普通に石を投げつけてくるし。


「……皆同じ。私にとっては」


魔族と敵対していた時の魔王様よりも嫌われてる自信がある。……その理由は、結局、元を辿れば、私ではどうしようもなかった事だ。そう生まれたのは、私のせいじゃないのにね。


「ルチェちゃん、そろそろ休憩」


律儀に時計を見て秒単位で1時間を計っていたフィルトによって、強制的な休憩時間に入る。場合によっては不眠不休で私が魔法に夢中になるため、魔王様達の誰かが1時間を目安に私に声をかけるのが習慣化している。時計まで使って計るのはフィルトくらいだけどね。


「お茶を貰ってくるね」


お茶なんてどうでもいいから、私と英雄を2人きりにせんでくれ。


「ルチェさん、好きな物はなんですか?」

「…………何故、聞く……?」

「それは勿論、懐いて欲しいので」


私は猫か何かか。


「……魔王さま」

「顔が良くて人望があって強くてお金持ちで地位がある方という認識でいいですか?」


私もそれら全部持ってますよとにこやかにいってくる。断固拒否。


「……足りない。私からの信頼を得ている事が大事」

「……その信頼はどうすれば得られるんでしょうね」


そのくらい自分で考えて下さい。今のところ私が貴方に積極的に構う可能性、皆無ですけどね。


「私のことはどう思いますか?」

「……好きではない。嫌いでもない。興味も無い」


正直、今日の晩御飯のおかずの内容よりも興味ないですと、素直に答えたら、流石に英雄も凹んでた。ちょっと楽しい。


「私はルチェさんが気になります」

「……懐かない猫が好き……?」

「ふふ……!そうですね、そんな感じです。私は気になるのに、貴女は全く相手にしてくれない。今まで女性にそんな風にあしらわれる事など無かったので、全力でこちらを向いて欲しくなります」

「……断固拒否」


早く帰れ。と、もう面倒なのでどストレートに言うけど、嬉しそうに可愛いですね、なんて言ってくる。ぞわわ。


「貴女みたいな可愛らしい小動物が欲しいです」


猫が欲しいならあげると意味を込めて、近くにあった可愛い猫のクッションを投げつけたけど、難なく受け止められた上に貰っていいんですかと聞かれた。ものすごく癪なんだけど?

というか、私は小動物扱いか。

そこで漸くフィルトが帰ってきた。お気に入りのマグカップには蜂蜜入りミルクティー。


「ルチェちゃん、ミルクティー貰ってきたよ」

「ありがと、フィルト」


でもボロボロになったローブのことはまだ怒ってるからね。


「リーンフェルト様はそろそろお部屋に戻られてください。ルチェも休む時間なので」


英雄は再度、私が投げつけた猫クッションを貰っていいのか聞いてきた。


「……返ってきたら、燃やす」

「おや。じゃあいただいて行きますね」


ありがとうございます。と嬉しそうに持っていった。その後それを持ったまま移動した英雄の姿がいかにミスマッチだったかを聞いて笑おうと思ったのに、移動中は空間収納していた事を聞いて、心底残念だったのはここだけの秘密である。

次回のあらすじ。

中々態度が軟化しないルチェちゃん。ですがよくよく見てみると、単語レベルの返事がいつのまにか……?

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