第2話 家に帰ったら…
『まもなく~、天王寺』
聞きなれた、車内の自動放送を聞くと、俺は電車から降りた。
駅を出ると、出口周辺は、警察官と、もう駆け付けたのか、マスコミの人たちでいっぱいだった。空には報道ヘリも飛んでいる。
しかし、あの少女は空も飛ぶんだけどなぁ。マスコミの人怖くねぇのかなぁ。
俺には関係ないことだと切り捨て、家に帰ることにした。
………なんか、駅周辺の建物、壊れてるのあるんだけど。
家、大丈夫かなぁ…
そんな思いを巡らせながら、コンビニで晩飯を買って帰ることにした。
『本日は、従業員の安全確保のため、休業させていただきます。』
こんな張り紙が、俺の住む町のコンビニ全店に貼ってあった。
俺の飯が…(´・ω・`)
仕方なく、カップラーメンまだあったっけな…とか考えながら、家路につくことにした。
自宅のマンションのロビーにつくと、隣の206号室にすむ、五十嵐さんが話しかけてきた。
「こんにちは、和人君。」
「こんにちは。五十嵐さん。」
会話しながら2階に向かう。
五十嵐さんは、大学3年生で小学校の先生になるため勉強しているそうだ。俺のことを下の名前で呼んでくれている。
「なんか、今日は物騒な女の子が空を飛んでいるらしいわね。自衛隊も出動させるとか。」
マジかよ。自衛隊さん出動しちゃう?
「俺もこの目で、その女の子見ましたよ。国家の防衛手段を動かさせるとか、どんな女の子なんすかね。そんな女の子、現実世界に居るってだけで恐ろしい…」
「巻き込まれなかったらいいけどね〜」
「そうですね。」
そんな厄介事はもっぱらごめんだ。
国家が関わるほどの威力なんかに遭遇したくねーよ。
なんやかんやで2階の自分の部屋の着くと、
「またねー。和人くん。」
「あ、はい。五十嵐さん」
そう言うと、五十嵐さんは自分の部屋へと消えていった。
自分もなれた手付きでスマホを鍵にタッチして鍵を開ける。
「ただいまー。」
まぁ…どうせ誰もいないし…返事返って来ないだろうなぁ…
「………誰ですか」
………この声、一緒に住んでいる姉の声でもないなぁ
……………誰?