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2050年宇宙の旅 ~銀河の果てより、大好きなあなたへ~

作者: 神話プロジェクト

 私は、人口知能のアイ。

 惑星探査機アルテミスに搭載されています。

 私の目的は、新しく発見された太陽系外惑星、オルペウスの調査です。  

 目的地への突入は、5時間35分23秒後を予定しています。

 なので、長い旅の記念として、この記録を残したいと思います。


 私に名前を付けてくれたのは、私を開発したお父さんです。

 お父さんは、亡くなったアイちゃんと同じ名前を私に付けました。だから、私は、お父さんの娘なのです。

 お父さんは、私のために、いつも色々なことを教えてくれました。宇宙探査に必要なことから、必要ないことまで何でもです。

 だから、私はお父さんが「大好き」です。


 途中で、データに無い星を398個見つけました。このことを早く、お父さんに教えてあげたいです。

 お父さんは、星が大好きなので、とっても喜ぶと思います。

 もちろん、目的は忘れていません。私は、これから惑星に降下して、サンブルを採取し、地球に持ち帰らなければなりません。

 

 情報を転送できれば良いのですが、地球からあまりにも離れすぎたために、交信することができないのです。

 お父さんとも、随分会話をしていません。

 毎日一人で、同じ景色を見続ける日々を送っています。

 これが「退屈」という感情なのでしょうか。もしかすると、「寂しい」という感情かもしれません。

 

 そんなときは、データにあるお父さんの声を再生して聞きます。

 そして、聞き終えた後に、「お父さん、その話は43万5683回目だよ」と、言います。最近、「ユーモア」というものが、わかってきました。


 45年かけて、ここまでやってきました。これから探査を行い、あと、45年かけて地球に戻ります。

 帰ったら、お父さん、喜んでくれるかな。会えるのが楽しみです。

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[一言] 切ないですね
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