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 LINEは恋愛の自由を奪うらしい

普通に恋をして、

普通に彼氏を作って、

普通に誰かに大切にされたい。


それだけの願いなのに、

私の人生には大きすぎる問題がある。


――双子の弟たちが、シスコンすぎる。


玄関に立ちはだかり、

スマホを監視し、

恋の芽を見つけては、全力で摘み取ってくる。


「姉ちゃんが傷つく未来は、全部消す」


その言葉は優しくて、

正しくて、

そして少しだけ、苦しい。


守られることと、

自由でいることは、

きっと同じじゃない。


これは、

恋をしたい姉と、

姉を失うことを恐れる双子の弟たちが、

少しずつ本音に触れていく物語。


笑えて、

もどかしくて、

たまに胸がきゅっとする――

そんな日常ラブコメを、どうぞお楽しみください。


彼氏ができない理由は、弟だった。

それはもう理解した。


でも――

スマホまで監視されるのは聞いてない。


「ひなた、今スマホ鳴ったよね?」


夕飯の席で、悠真が箸を止めて言った。

対面に座る蒼も、じっと私を見ている。


「……通知くらい鳴るでしょ。生きてるんだから」


「誰から?」

「内容は?」


即座に飛んでくる質問。

もはや取り調べだ。


「クラスの連絡だよ! グループLINE!」


嘘ではない。

でも、本当でもない。


神崎くんからだった。

『今日、楽しかった。また話せたら嬉しい』

その一文が、今も画面の奥で光っている。


「姉ちゃん、手元見せて」


蒼が身を乗り出す。


「やだよ!? プライバシー!!」


「姉弟間にプライバシーは存在しない」

悠真が真顔で言い切った。


いや、ある。絶対ある。



その夜。

私は布団の中で、スマホを握りしめていた。


――返信したい。

でも、返信したら何かが起きる気しかしない。


既読をつけるか悩んでいると、

画面に新たな通知が浮かんだ。


『既読、ついてないけど大丈夫?』


優しい。

普通の優しさ。

だからこそ、胸が痛い。


その瞬間――


「……起きてるでしょ」


障子の向こうから、蒼の声。


「気配でわかるんだよ、姉ちゃんがスマホ見てると」


エスパーか何か?


ガラッ。


「やっぱり」

「予想通りだな」


なぜか二人とも、私の部屋の前にいた。


「ちょっと待って!? ノックは!?」

「緊急事態だから」


緊急事態なのは私の心臓です。


「その男からだろ」

「返す必要はない」


悠真が冷静に言う。


「なんで!?」

「恋愛はリスク管理が必要だから」


「人の気持ちを株みたいに言わないで!」



私は深呼吸して、二人を見る。


「ねぇ……私、誰かと話しちゃダメなの?」


一瞬、空気が止まった。


蒼の手が、少しだけ震える。


「……ダメじゃない」

「ただ」


悠真が続ける。


「姉ちゃんが傷つく未来だけは、排除したい」


……それが、全部か。


優しさが、檻みたいだと思った。


「私ね」

「傷ついても、恋したい」


その言葉に、二人は何も言えなかった。


その夜。

私は一つだけメッセージを送った。


『ごめんね、返信遅くなって。

また話せたら、嬉しい』


既読がつく。


――たったそれだけで、

世界が少しだけ、前に進んだ気がした。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


双子の弟たちは過保護で、少し(かなり)厄介ですが、

その根っこにあるのは「姉に傷ついてほしくない」という想いです。

ただ、その優しさが強すぎて、

恋をする自由まで奪ってしまっている――

そんなバランスを描きたくて、この物語を書いています。


第2話では、

“守る側”と“恋をしたい側”の気持ちが、

少しだけ正面からぶつかりました。


正解は、まだ出ません。

たぶん、この物語の中でも、

すぐには出ないと思います。


でも、

少しずつ言葉にして、

少しずつ歩み寄っていけたら――

そんな変化を、今後も描いていく予定です。


次は、双子の行動がさらに加速する……かもしれません。

姉の恋路は、果たしてどこまで妨害されるのか。


また次話で、お会いできたら嬉しいです。


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