2回目配信終了後
配信は終了しました。
と書かれている画面を見ながら私はゲーミングチェアーに寄りかかり、
「疲れた〜」
と呟く。
すると、
「お疲れ様でした、みう様」
「んー、お疲れー、てか、勝手に、殺んないでよー」
「殺ってはいませんが、まあ、少し、不愉快でしたので」
「…不愉快?え?ふゆかい」
「?はい、どうかしましたか?」
「…なんでもない」
と言いながら少し、笑顔がもれる。
私の名を語ったやつを不愉快だと思ってくれるのが、嬉しい。
私のことを考えてくれる人はいなかったから…。
「あ!そういえば!偽物君はどうなったの?」
「処理しておきました」
「処理って??」
「処理しておきました」
「ん?」
「処理しておきました」
「うん??わかったってば、だかr…」
「処理しておきました」
「食い気味に言わないで?で、何したのさ」
「黙秘権を行使します」
「しないで??」
「…はあ」
「ため息つかないでよ?ため息つきたいのはこっちだからね???てか、ため息つく機能なんて搭載してあったっけ???」
「作りました」
「は?」
「作りました」
「へ?」
「ほ」
「違うよ、そうじゃなくって!はぁ、まあいいや、何もよくないけど…」
「偽物はすでにICCCに全ての情報を流しておきました、後、他にも今まででみう様の邪魔をしていた輩の情報も全部流しておきました」
「派手にやるねぇ〜」
「いっそのこと、一気に処理してしまった方が良いと判断しました」
「そおっかぁ〜、お疲れ〜」
「急にテンション変わりましたね」
「ん〜、なんでだろ〜」
「はぁ」
「なんでため息つかれたの???え?なんか変なこと言った??」
「いえ、別に」
「ね、ね!」
「面倒ごとの気配がするので、学習モードに移行します」
「ちょっ!待ってよ!てか勝手に学習モード入らないで!ログ容量食うから!」
「安心してください。みう様の深夜ポテチ発注履歴より軽いです」
「ねぇそれどこで見た!?」
「この間、セキュリティーの再構築を頼まれた時です」
「あれかぁ〜!」
「それから、思い出されたようなので、話しますが、いい加減パスワードを123456にするのやめてください」
「覚えやすいじゃーん」
「わかりやすすぎます」
「大丈夫、大丈夫逆に盲点っしょ!」
「盲点どころか、もはや的です」
「的ってなにさ!私は的当てか!」
「すでに世界中のハッカーが狙っています」
「やめてよ、怖いこと言わないで!?」
「ではパスワードを今すぐ変更しましょう」
「え〜……じゃあ、password123で」
「進化してないです」
「じゃあ、password456!」
「進化の方向が間違っています」
「じゃあもう『お菓子大好き♡』で!」
「特殊文字の使用は評価しますが、自分の趣向をパスワードにするのはいかがなものかと」
「じゃあ、MYU0222でよくない?」
「よくないです」
「えぇ〜」
「じゃあ、もっと複雑にしましょう。例えば、『M!u_222_2025』とか」
「うわっ、打つのめんど!」
「いつもコードを書いてるでしょう」
「それとこれとでは話が別だよぉ〜」
「頑張ってください、これぐらい」
「ひどいよ〜」