お出けけ
「いーーーーやーーーーーだぁああああああああ!」
とみうは叫ぶ。
近場に家がないので近所迷惑にならないのが救いだ。
この状況を説明するには数分ほど時を遡る必要がある。
「みう様、お願いしたいことがあります」
「ん〜」
「これを買ってきてほしいんですが」
「ん〜」
「よろしいですか?」
「ん〜」
「肯定と捉えますが」
「ん〜」
「ネットショップじゃ買えないので、買いに行ってください」
「ん〜」
と、みうはとりあえず返事しとけの精神によって買い物に行く羽目になったのだ。
……話を聞いていないみうの自業自得であった。
と、ここまで可哀想なほどに放置(作者の私に)されているれむだが、地味にこのことに関わっている。
最近、秋を飛ばして冬になり寒くなってきている。
みうは暑いのが苦手だが、寒さにも弱い。
…特に朝、布団から出れなくなるのは寒さのせいだ、きっと。
寒さ対策といえば、ポカポカ機能?を追加されたれむだ。
ポカポカ機能というのは、まあ、ぬいぐるみがあったかくなるという機能のことだ。
みうが生返事していたのはれむを抱き抱えてぬくぬくしていたせいであった。
みうの自業自得なのだが、みう本人は責任はれむにあると思っている。
…れむを作ったのが誰だか忘れてそうな感じだ。
冒頭に戻る。
「嫌と言われましても、行くことは決定事項ですから」
「ネットが無理なら他のやつにやらせりゃいいじゃん」
「住所バレしますよ」
みうはネットで人を使ってものを買わせてモノを家に送らせようとしているのだ。
…なんでこういう時だけIQが極端に下がってしまうのだろうか?
「あーいーうーーえーええーー」
「変な唸り声あげる暇があったらとっとと家を出でください」
「…なんかさ、最近、そらが私の扱いが雑になってる気するんだけど」
「そんなことないですよ(棒)」
「棒読みすぎる」
「というかなんなんですかそれ」
「ん?」
「“気がする“です“気する”ではありません日本語がおかしいです」
「“が”っていうのがめんどい」
「“めんどくさい“です」
「わずらしいから」
「“わずらわしい“です」
「めんdから」
「さらに悪化してます、なんでんですかそれ」
「言葉なんて相手に伝わりゃいいんだよ」
「そういう問題じゃないです、普段からきれいな日本語を使ってください」
「そういう問題でしょ、言葉が伝わってるのに話が伝わらんやつもいるし」
「まあ、そりゃそうですけど」
「じゃあ、もーめんたい」
「“モーマンタイ“です“もーめんたい”ってなんですか」
「…めんたいこ?」
「はぁああああああああ」
「特大ため息つかれとる」
「…せっかく玄関まで来たのに戻ろうとしないでください」
「うっ」
「とっとと出てください」
「ぇぇぇ」
「出てください」
「いぃ、やぁ、だぁ」
「…焼き芋買ってきていいですよ」
「マジ?」
「はい」
「……わかった」
(作者が)焼き芋を買ってきていいよって言いたかっただけの回。




