飼ったらいいじゃないですか
みうの家の庭にはやたらと猫が集まる。
なぜならみうが餌やりをしているからだ。
「ミャー」「にゃー」「みゃぁ」
今日も今日とて、三匹の猫が集まっている。
右の白猫がみあ、真ん中のぶち猫がみか、左の黒猫で子猫なのがみいである。
名前の由来は、まあ、五十音だと言えばわかるだろうか。
「みあちゃん!みかちゃん!みいちゃん!どしたの〜」
と言いながらみうは庭に裸足で飛び出す。
「みう様、靴履いてください、怪我しますよ」
「大丈夫、大丈夫、ガラスとかないだろうし」
「そうじゃないです、草で切ったりすることもありますし、何より、みう様が部屋を汚しても、掃除するのは結局、私なんですよ」
「足洗うから大丈夫!」
「入る時に汚れているので、洗いに行くまでのところで床が汚れるんですが」
「…可愛いねぇ〜」
「無視しないでください、それにそんなに可愛がるなら、いっそのこと飼ったらいいじゃないですか、敷地空いてますし」
「えー、大変そうじゃん、それにさぁ」
「それに?」
「責任持てないじゃん、死なれたら嫌だし」
「それは飼ってなくても、懐かれている時点でもう意味がない気がしますが」
「まぁ、そりゃそうなんだけどさぁ」
「…」
「育てられる自信、ないし」(ボソッ)
猫たちの名前の由来について補足すると、普通に『み』に他の文字くっつけただけです。
『み』あ、『み』か、『み』い、




