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違法ハッカーの私、今、Vやってます  作者: Morisa1380


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19/37

何していたんですか?

ある日の昼下がり、いつもは昼ごはんを食べると眠いと言って、ベットに直行するみうだが、珍しく、ベットの上でだが、何か作業をしていた。

…ぬいぐるみに囲まれながら。

とてもシュールである。


そして、

「ふふふふふふふ〜」

と、不穏な笑い方をしていると

「何してるんですか?」

「ぎゃぁ!」

「驚きすぎです」

「急に声かけないでよ!」

「少し前から声をかけてましたよ」

「えっ?うそぉ〜」

「嘘じゃないです、あと、嘘をつけるように作られてません」

「それこそ嘘だぁ〜」

「あくまで、言わなかっただけです」

「そんなことないと思うけど、お菓子食べたでしょ?って聞かれて黙って、次にアイス食べたでしょ?って聞かれて食べてないっていうのと同じでしょ、お菓子は食べたけど、アイスは食べてないっていうやつ、あくまで、嘘はついてない、事実を断片的に伝えて誤った認識にするやつ」

「嘘はついていません」

「“嘘”はでしょ?」

「否定はしません」

「否定しないんだ?!」

「否定もしませんけど、肯定もしません」

「うわー、記憶にないっていう政治家かよ」

「データにございません」

「AIは実際、データベース消したらそうなるのよ」

「まあ、それは置いておいて、何していたんですか?」

「ナ、ナニモシテナイヨ」

「している時の反応でしょう、それ」

「キ、キノセイダヨ」

「へえ、そうですか、じゃあ、なんでさっきまで、私が、この部屋の監視カメラには入れなかったんですか?」

「監視カメラって何!」

「間違えました、防犯カメラです」

「こわっ!絶対に、防犯用じゃなくて、監視用じゃん、それ」

「間違えです」

「AIでも、間違えるんだね〜、とはならないよ?」

「なっといてください」

「はーい」

「…素直ですね、で、何をやらかしたんですか?」

「事後なんだ」

「では、何をやらかそうとしているんですか?」

「やらかしってやらかそうと思ってやるもんじゃないと思うけど」

「みう様、何をやってもやらかしますよね」

「そんなこと…ない、ないよ」

「途中、言葉が詰まってましたけど?」

「気のせい、気のせい」

「気のせいではないと思いますけど、で?何やってたんですか?話をそらさないでください」

「そ、それは」

「それは?」

「この前さ、ぬいぐるみは実用性がないからダメって言われたじゃん」

「言いましたけど?」

「だから、実用性があればいいかなって」

「実用性のあるぬいぐるみってなんですか?」

「そらのボディーって人型じゃん」

「はい、みう様の趣向で、やたらの完成度の高い、メイドの美女姿です」

「あっ、自分で美女って言うんだ」

「正直、わざわざメイドにする必要性を感じません」

「え、じゃあ、なんでメイド服着てるの?」

「設計者の趣味です」

「うち?!?!?!?!」

「はい、みう様のデザインフォルダ”に保存されていた“メイド.psd”から生成しました」

「か、書いた記憶がない」

「深夜テンションで書いていたからじゃないですか?」

「うわぁ……自分が怖い……」

「今さらですね。で、その実用性のあるぬいぐるみとは?」

「そらのサブボディー!」

「……は?」

「つまりね、ぬいぐるみ型のそら!」

「……」

「見た目はぬいぐるみ! でも中身はそらのサブAIを積んだサポートユニット!音声操作もできるし、軽い家電の制御とか、スマートホーム連携もできる!」

「そのようなものを開発する意味が、わかりません」

「かわいいからだよ!!!!!!!!!!!!!!」

「ですよね」

「あと、寝る時に“おやすみ”って言ったら、“おやすみなさい、みう様”って返してくれて、さらにお布団の温度も調整してくれるの!」

「……正直、ちょっと便利ですね」

「でしょ!? しかもお腹にヒーター仕込んでるから、冬でもふわふわあったかい!!」

「確かに、布団は暑いのか蹴飛ばして、風邪ひいてますよね」

「そう!」

「まあ、それならいいですけど、風邪引くと面倒ですし(ボソッ)」

「ひどーい」

「最初は布団をかけ直してましたけど、1時間後には蹴飛ばされるのでやめました」

「暑いんだもん!」

「自業自得ですね」



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