いらないものの買いすぎです
みうは、いろいろなことをしているので、そこら辺にいるサラリーマンどころか、中小企業の社長並、いや、大企業の社長並みには稼いでいる。
色々とは色々である。
例えば、依頼によって、情報を抜いたり、消したり、セキュリティーを落としたり、という、裏の仕事から、セキュリティーの構築、アプリの開発、AI技術、などの表の仕事といった、幅広い活動をしている。
残念ながら、NASAの侵入や、ICCCに喧嘩を売ったりというのは完全なる、遊びなのだか。
表の仕事でも、1000万以上の金が動くことがザラにあるどころか、裏の仕事では、億単位の金が動いている、そのはずなのだが、みうの貯金は、今、そこらのサラリーマン並みにしか入っていなかった。
「ねね!そらこれ買いたい!」
「…みう様、今、口座の残金どのくらいか、ご存知ですか?」
「?」
「ご自分で確認してください」
と言いながら、アームが降りてきて、そらはみうに通帳を渡す。
「え?」
「わかりましたか?それを買うには足りません」
「ちょ、ちょっと待って!なんでこんなに少ないの?うちそんなに使ってないと思うけど?」
「お菓子の食べ過ぎでしょう?」
「いやいやいや、それじゃあ、どうやっても数字あわんでしょう!お菓子たくさん買ったかもだけど、それでも、1ヶ月で消えるお菓子代は、1日に300円でも、1万ぐらいでしょ!」
「みう様、毎日お菓子食べていますし、一日、最低でも500円分は食べていますよ、それに、時々高いお菓子をご褒美という名目で買っていますよね?」
「だとしても!そんな、100万、200万も達しない金額じゃん!」
「では、いらないもの買いすぎです」
「いらないもの…なくない?」
「あります、たくさんあります」
「なんだろ?」
「まずはベットにあるたくさんのぬいぐるみです、それと、使いもしない動物の箸置き、必要のないはずの可愛らしい筆箱、小さくて使いづらい動物やキャラクターの消しゴムとかですかね?」
「だって可愛いんだもん」
「消しゴムは使うためにあるモノなのに、あんなに小さくて、瓶に詰めるしか用途のないものを買わないでください、あと、箸置きは一個で十分です、筆箱も、まずまず、ほとんど家にいるみう様には必要ないですよね?あと、最高でも、 2個か3個で十分です、何より必要のないのは、ぬいぐるみです、囲まれて寝るのがロマンだとか、ほざいてましたが、いくらあったってロマンもクソもないじゃないですか」
「最後、やたら口調強いね?!」
「散財するみう様が悪いです」
「…ねえ、使ってる金額なら圧倒的にそらの方が高いと思うんだけど?」
「必要経費です」
「そこまで必要?」
「必要経費です」
「必要経費で押し切ろうとしないで?!」
「光熱費などのインフラ代を引けばそこまでではありません」
「そこまでって、一応、電気はある程度は自家発電してるし、水も川から引いてるよね?それに、お金に関しては制限してなかったけど、1000万単位の買い物してない?」
「ちっ」
「舌打ちしないで?!てか、ため息といい、舌打ちといい、私、やってないのに勝手に作ってるの何?」
「みう様が、自由にしていいといったんですよ?」
「いいとはいったよ?いったけどね?限度ってしてる?何にでも限度があるのよ」
「まあ、とりあえず、稼いでください」
「すごいね?!お金が貯まってないの原因、そらだからね!」
「仕事一覧です、報酬が即で振り込まれるやつを選んでおきました」
「話進めんといて!」
「まず、会社のデータが盗まれたので取り返して欲しいという依頼が来ています、他の仕事より楽で報酬もいいですよ」
「わかったよ!やりゃいいんでしょ!やりゃ!」
「はい、そうです、あと、さっき買いたいといっていた、使い道のなく、でかいだけで、スペースを取るだけのぬいぐるみがあとで買う一覧に入っていたので消しておきました」
「えっ?ちょっ!やめてよ!」
「もうすでに同じような、パンダのぬいぐるみ、ありますよね?パンダだけで、3つぐらいありましたよね?」
「いやいやいや、今、買いたかったのは実物大のやつなの!」
「この前も、手のひらサイズのパンダが可愛いから、と言って、買ってましたよね?キーホルダーのやつですけど」
「それとこれでは話が別だよぉ〜」
まさかの、みうじゃなくて、そらが原因というオチでした!
みうの一人称は、『うち』と『私』の2種類があります!
小さい頃は、いい子を演じるために、『私』にしていましたが、今は、『うち』という、崩した言い方をすることが増えました!
ちなみに、みうのベットは大人二人が並んで寝てもスペースが余るぐらい大きいです。
でも、ベットの半分以上がぬいぐるみで埋まってます!
ぬいぐるみに囲まれて寝るのってロマンだよね!




