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輪廻の風  作者: 夢氷 城
第1章
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死神の脅威再び!巨木の密林


「ダルマイン、旧ドアル軍はあんなイカつい戦闘機を保有していたのか?」ロゼが鋭く問う。


「へい… あれは旧ドアル軍の生き残りの科学者たちが駆使して作り上げた殺戮兵器"インドラ"です…!凄まじい破壊力を秘めた光線を放つと聞いたことが…。」ダルマインは青白い顔で震えながら答えた。


「光線?そんなの撃たれたら大変だ…!」

エンディが焦りを滲ませた。


「いや、例えそんな光線を放てたとしても、ラーミアがいる限り撃ってはこないだろう。」

カインは冷静に言い切った。


「あいつら…まだラーミアの力を狙ってるのか…。」エンディが歯を食いしばる。


「そうか、お前らラーミアの力のことを知ってたんだな。」

ロゼが周囲を一瞥した。

旧ドアル軍の夜襲に、戦士たちは動揺を隠せなかった。


ダルマインは断末魔のような絶叫を上げ、誰よりも遠くへ逃げ出した。


ノヴァは演習場に着陸したインドラを遠い目で見つめた。


「お、おい…やばくねえか?」


「いきなり来やがって…どうすんだよ…。」


戦士たちのざわめきが広がる中、ロゼの声が雷鳴のように響いた。


「うろたえるな!!」


ざわめきが瞬時に止んだ。


「俺が先陣を切る。迎え討つぞ!」

ロゼは短く号令を発し、戦意を燃やした。


萎えていた戦士たちの瞳が獰猛に輝いた。


「ロゼ、オレたちも行くぜ!」


「若!さすがのカリスマ性ですね!」


エスタとモエーネが駆け寄る。


「俺の背中は任せたぜ?エンディとカイン、お前らはラーミアを守れ!」

ロゼの指示に、エンディは「はい!」と答え、居城へ急いだ。カインが無言で続く。


「王子様よ、俺は俺で好きに動かせてもらうぜ?」

人間の姿に戻ったノヴァが軽く言い放ち、疾風の速さで演習場へ突進した。


「ボス!俺たちも行きます!」


ノヴァファミリーの戦闘員が士気を高め、ノヴァを追った。先頭にはラベスタが剣を握り、疾走する。


「おい待てお前ら!…ったくしょうがねえ奴らだぜ。よし!俺らも行くぞ!」


ロゼが叫び、ナカタムの戦士たちが「うおおおおぉ!」と咆哮を上げ、インドラへ向かった。


ロゼの居城では、ラーミアがエンディとカインを見て歓喜の声を上げた。


「エンディ!カイン!よかった無事で…!」


「喜んでばかりいられないぞ、旧ドアル軍が攻めてきているんだ。」サイゾーが冷静に告げる。


「そうよ。恐らく、またラーミアを狙ってくるはず。」

ジェシカが鋭く補足した。


「なんであいつら、こんなしつこくラーミアを狙うんだろう…。」エンディが首を傾げる。


「外傷を完璧に治癒できる。そんな力を持った人間が味方にいれば向かう所敵なしだからな。」

カインが淡々と答えた。


「ラーミアさんはボクがまもるんだぁ…!」

アルファが木の棒を振り回し、すぐに何もないところで転んだ。


「ラーミア…あれ誰?」


「給仕になったアルファ君よ。私の後輩!」

ラーミアが笑顔で紹介した。


「あ、初めまして!エンディさんにカインさん、2人のことはラーミアさんから聞いてます!ボクも役に立てるよう精一杯頑張ります!」

アルファが立ち上がり、意気込んだ直後、また転ぶ。


エンディは頼りなげなアルファを苦笑いで見つめた。


カインは一瞥をくれ、すぐに視線を外へ移した。

本当にもう後戻りは出来なそうだな…と、何か大きな覚悟を決めた様な表情で心の中で呟いた。


演習場では、旧ドアル軍の兵士がインドラから降り、灰色の戦闘服に機関銃を構え、整然と行進する。


ロゼたちは建物の影に潜み、息を殺す。


「いいか?俺が合図したら一気に攻め込むぞ。」

ロゼが囁くと、エスタとモエーネが頷いた。


兵士たちは緊張で汗を握る。


旧ドアル軍が敷地を出ようとした瞬間、ノヴァが単身で敵陣に突っ込んだ。


呆気にとられる兵士たちを、ノヴァは獣の如く蹴散らした。


「うおおおおっ!!」


マフィアたちがノヴァに続き、怒号を上げて突撃。


先頭のラベスタが剣を閃かせる。


旧ドアル軍とノヴァファミリーの激闘が始まった。


「はぁ、調子狂うぜ。よし!ノヴァ達に続け!!」

ロゼが叫び、兵を率いて参戦しようとした瞬間、インドラから無数の小型ミサイルが発射された。


雨のように降り注ぐミサイルに、戦場は混乱に陥る。爆音が響き、土煙と炎が舞う。


「引け!一旦引くぞ!」

ロゼが危険を察知し、兵を退かせた。


旧ドアル軍もインドラへと引き返していった。


ロゼが振り返ると、逃げ遅れたマフィア数人が拘束され、インドラへ連行されるのが見えた。


ノヴァとラベスタの姿は消えていた。


「ミサイルとは味な真似してくれるじゃねえかよ!」


「ポナパルト!?お前も来たのか!?」


ロゼが驚いて振り返る。


「ロゼ王子〜俺もいますよ!レガーロ国王にはバレンティノが付いてるから心配しないで下さいねえ!」

モスキーノがニコニコと現れた。


「あんなクソ親父どうでもいいわ!それよりお前ら、何をする気だ?」


「決まってるじゃねえですか!あのクソ生意気なインドラとかいう飛行物体をぶっ壊しにきたんですよ!」ポナパルトが哄笑した。


「旧ドアル軍共おぉ!全員オレがぶっ殺してやるぜえ!!」


ポナパルトが雄叫びを上げたその時だった。


突如演習場の地面が裂け、アスファルトを突き破り、無数の巨木がインドラを囲むように生えてきた。


幹から伸びる枝が、鋭い触手のように襲いかかる。


ロゼは槍を振り、枝を切り刻む。


エスタとモエーネがロゼを庇い、襲いくる枝を防ぐ。


ポナパルトは拳で枝を粉砕し、モスキーノは軽やかにかわす。


攻撃が止んだかと思ったのも束の間。

今度は城下町の地面から無数の巨木が突き出し、炎上する街が、一瞬にして広大な密林と化してしまった。


誰もが呆然とし、思考が凍りつく。


「こりゃ、やべえことになったな。」

ポナパルトが珍しく声を小さくした。


「おいおい、まさかこれって…。」

ロゼが冷や汗を流す。


エスタとモエーネは絶句する。


「間違いない、これはアズバールの能力だ。」モスキーノが鋭く呟いた。

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