表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

”俺、こんなに思われたの初めて”

あの時の私は幼かった。

浩の気持ちがわからなかった。受け止められなかった。


だって、こんなに人を好きになったのは初めてだから。

何を犠牲にしても、何があっても浩と一緒に入れたらそれだけでよかった。

浩、10年たった今も私は変わらず思っているよ。


浩、今どうしてる?

もう、私の事は忘れちゃったかな。

私は10年たった今でも、浩が好きだよ。


忘れる事なんてできない。

忘れられたらどんなに楽だろう。

いつか思い出に変わる時がくるのかな。



浩は仕事場の上司だった。第一印象は、無口、近寄りがたいだった。

直接の上司じゃないから、そんなに話す事も無かった。

でも、仕事場に顔だしに来た時ふと交わした言葉。それから、始まったね。


”仕事、大変?忙しい?”

と聞いた浩に仕事で疲れてた私は八つ当たり気味に言った。

”お蔭さまでとっても忙しい”と。

なんでそんな言い方したのかは、わからない。

でも、忙しいのがわかるのにあえて聞く浩にイラッとした。

その時はそれで、おしまい。

でも、夜になって後悔した。

あんな言い方する事無かったと。完璧な八つ当たり。


謝りたくて、夜勇気をだして携帯にかけた。

初めてかける電話。緊張して、携帯もつ手が震える。


”もしもし”

”みすずですけど”

”えっ?どうしたの?”とびっくりした声。

そりゃそうだよね。

今まで電話した所か挨拶位でまともに話した事なんかなかったから。


緊張しながら私は、”今日は言い方きつくて、ごめんなさい。いらいらして八つ当たりしちゃった、謝ろうと思って”

と言った私に

”みすずちゃんでも、謝る事なんてあるんだ”


なんだそれ???


”私だって悪いと思ったら謝る時あるわよ!!!”と思わず、キレ気味にいってしまった。


浩が笑った。

”ごめん、ごめん”


こんな風に笑うなんて初めて。笑われたのが、恥ずかしくて電話を切ろうとした。


”もう、切っちゃうの?”と浩が言った。

聞き間違いかと思ったけど、確かにそう言った。


それからの会話は緊張して、全然覚えてない。

ただ、切る時に、

”また、電話かけてきていいよ”と言ったのだけは覚えてる。


すごくドキドキした、それに楽しかった。

その日は、浩の事で頭がいっぱいになって中々眠れなかった。


また浩と話したい。と強く思った。


でも、電話する用件もないしまた電話する勇気もない。

浩から電話がないか、携帯を片時も離せなくなっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ