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トラウマが離れない

(あなたなんて嫌いよ!二度、私の近くによらないで!)


朝、目が覚めたのはある女の子に言われた言葉でだった。


「また、この夢か」


そう呟きながらベットから出て学校の支度をする。

凪はこの夢を女子嫌いになった中学の時から見続けているが、これが何かのヒントになることはなかった。


学校でも夢のことで悩んでいると、陸が様子を見にきた。


「凪?元気ないけど、どうした?まさか、また夢か?」


「そのまさかだよ、陸」


陸は大きくため息をつき


「いい加減、何か思い出せないか?」


俺は全く手掛かりがないと首を振った。

昼休み、俺は陸と昼飯を食べながら夢のことについて考えてみるが何も浮かんでこない


「たとえば実家の方に幼馴染がいたりして仲がよかったその人にこっ酷く絶縁されたり」


「ない、そもそも、僕に幼馴染はいない」


「そうか〜なら一体どこでその言葉を言われたんだよ」


「でも、思い出しても、何かいいことってあるのか?」

陸は少し考えて、


「トラウマを克服するのが早くなるんじゃないか」


「でも、段々とあかりと治ってきているよ」


「じゃあどこまでできたんだ?」


「近くに寄ったり、間接キスだったり?」


「まあ、お前にとっては進んだかもしれないけど恋人の関係なら俺からしたら遅いぞ」


「そうかな〜」


陸はハッ!と何か気付いたように手を叩いた。


「そういえば、凪?おまえ、森山さんになんて言われて告白されたんだ?」


「言ってなかったっけ、あかりは俺に一目惚れしたらしく

その後、俺に助けられたからだって聞いたぞ」


「えっ、一目惚れ!やっぱりお前モテてんじゃん」


陸はまたため息をついた。


「俺はそんなこと一度も言われたことないぞ」


「陸にもいつか縁があるよ」


「凪、お前、時々、無自覚で喧嘩売ってるって思われるから気をつけた方がいいぞ」


「えっ、」


そう言われながら今のあかりとどこまで進んでいるかをクラスの男子を引き連れた陸が根掘り葉掘り聞いてきた。


「終わった〜どれだけ質問があるんだよ、あいつら」


「わかったか、これが恋愛に興味を持っている人の恐ろしさだ」


「よくわかったよ」


陸などにあかりのことを聞かれて話していると、

もう夢のことはあまり頭の中のはなかった。

もしかしたら、陸が少しでも悩まなくていいように忘れえさせてくれたのかもしれない。


その夜、気がつくと俺は通っていた小学校の廊下に立っていた。

そこでは今でも仲がいい小学校の時の陸がいた。

声は聞こえなかったが何か言ってどこかに行ってしまった

廊下の奥に進むと、顔に黒くもやがかかった女子にまたあの言葉を言われた。


(あなたなんて嫌い!二度と私の近くの寄らないで!)


この言葉が言われて僕は飛び起きてしまった


(また、あの言葉、いつもと違った、思い出してるのか?)

いつもと違う夢を見ることに少しの違和感と思い出せないかもどかしさを覚えていた。


「一体、誰なんだ、あの子は全然思い出せない」


夢でずっと嫌い!と言ってくるあの子は誰なのか肝心の顔と名前が思い出せず場所の記憶だけが夢で思い出した。

でも、思い出してこれている。

でもこの記憶は見ていいのだろうか。

せっかく自分が忘れているのにそれを無理やり思い出してもいいことはないのでは

と考えてしまった

どれだけ考えても夢の答えは出てこなかった。


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