第28話 魔導砲発射!新cabin02
破壊された魔導都市メキスト。復興も始まり夜通しでゴーレムを操縦する音が鳴り響く中 昔と変わらず、何世代にもわたって強固な場所があった。
「牢の警備ご苦労」
「王様に敬礼!」
王は牢屋を進む
「シアノバよ よく眠れたか?」
「地下水でベッドまで水浸なのよ眠れるわけないでしょ。それよりもうじきここにイカズチが落ちるわ。知りたくない?」
「いいや それより今日は処刑の日じゃな。バルトには逃げられた。まさか自分の体の一部をゴーレム化していたとは意外じゃった。炎のナイフも奪われてしまったし。しかし シアノバよ。役立たずだったバルトに知識を与え反乱を起こしたそなたを処刑することで民やショウスケ殿の心も晴れることであろう」
・・・・・
「ショウスケ 目が覚めたか?」
「ガネーシャ?それに みんな・・」
俺は体を起こすと貴族が使ってそうな高級なベッドと広い部屋に寝ていたようだ。
しかも 裸で・・そうか あのとき魔獣の瞳から落ちたんだ。
「ショウスケよ 支度ができたらcabin02を見に行くのじゃ」
ガチャン
ドアを開けて部屋の外に出ると みんなが待っていてくれた。
「ショウスケさん お似合いです」
「ショウスケ カッコいいの」
「その服はよく似合っておるぞ」
「ええ とっても」
新しい服は 戦士のような引き締まった感じだ。
「ポケットもあるし キャンプにもよさそうな服だ」
「よし 行こうぞ」
・・・・・
これは?
メキストの城のメタルな部屋を進んでいくと ドッグがあってそこにcabin02がいる。
「ショウスケよ 驚いたか?」
「cabin02が改造されているじゃないか?」
「反乱軍によって既に改造がなされていたのじゃが引き続きメキストの技術者によって 魔導動力が組み込まれたらしい」
cabin02のボディーには魔導回路を起動するためのデザインのような加工がされており
上部には大砲のような 魔導砲が備え付けられていた。
「すごい!タイヤが無いし浮いているのか?」
ジャラン♪ ジャーーン!!
「ワレのシタールも 改造されておったのじゃ がははは」
「それより あの後どうなったのかを教えてくれないか?」
「そうじゃな。。・・・なのじゃ。牢にいるシアノバに会ってみるか?」
「ああ 俺が一人で会いに行く」
・・・・・
歩くと地下水が足にまとわりついてくる。
ビシャ ビシャ ビシャ。
ガガガガガン
出してくれぇ~
誰が叫んだのかもわからない牢の廊下を進んでいくとシアノバがいた。
「ショウスケ!私 水浸しなの!ここから出して」
ボロボロな服は地下水でずぶ濡れになっていた。
「俺なら 水にぬれない寝床を確保できるけどな。やり方を教えてほしいか?」
「明日 処刑されるのよ。人間が天女を処刑するなんておかしいでしょ?ねえ 私を逃がして」
「それは王様にでも頼めばいい。話は 遺跡の場所だ。何か知らないか?」
「あれれれ ふふふ。もしかして リザリアを復活させるつもりなのかしら?」
「そんなことが できるのか?」
「バルトはナイフを奪って遺跡に向かったわ。そしてメキスト軍もね。どうする?」
俺は 小石を牢の中に一つ投げ込んだ
「スキル:ネーチャーリバース!!!」
ウネウネ
「キャ!」
ウネウネは牢屋を破壊した。
「遺跡の場所を知ってるなら 付いてこい」
「イヤよ」
シアノバはしゃがんだまま両手を伸ばした。
「お姫様抱っこじゃなきゃ イヤ」
水のように冷たい感触を感じながら牢屋を抜け出す。
「ちょっとまて あれが欲しい」
シアノバは 監守が持っていたテーブルの上にあるブドウを指さした。
恐らくろくな食事はしていないのだろう。
テーブルに近づくとシアノバは手を伸ばしてブドウを抱えた。
「食べさせて」
「俺は両手が塞がっているんだ。自分で食べろ」
「じゃぁ 私が食べさせてあげる。だったら いいでしょ?」
モグモグ・・
ブドウを一つづつ食べながら進んだ。
「脱走だ! うわぁ・・」
プッ!
口に含んだ ブドウの皮を飛ばしてウネウネに変えて兵士を倒す。
後ろから襲い掛かってきた兵士はシアノバが投げつけた皮を使って兵士を倒した。
「ふふふふ あなた最高よ。一体どんな呪文を刻んだらこんなことができるのかしら?」
「シアノバはリザリアと口調がにてるな」
「同じ女神から生み出された天女ですもの。少しは似るわよ。それより急がないと手遅れになるわよ」
「わかっている。走るから捕まってろ」
「うん・・」
ギュ・・プ二・・
cabin02を呼び寄せてメキストを突破した。
「ねえ どうして仲間を置いてきたの?」
「遺跡の場所を知っていると言ってもシアノバを連れている時点で 仲間を連れて行くようなマネはできないだろ」
「それは私を選んでくれたのかしら? ねえ ショウスケ。 私はどうしたらいいのかしら?」
リザリアみたいな喋り方をするシアノバの声が耳に引っかかる。
遺跡の場所を聞こうと声をかけようとしたら 突然 cabin02が左右に揺れ始めた。
モニターを切り替えると 魔導バイクに乗った兵士たちが追いかけてくる。
カーチェースになったけど cabin02の魔導砲に光が集めた。
「魔導砲 発射!!」
魔導砲の光線に驚いた兵士たちはクモの子を散らすようにバラバラになって
直撃はしなかったものの転げて追跡不能になった。
「ねえ ショウスケ。兵士を振り切ったお祝いにホッペにチューしてよ」
俺はハンドルを握って操縦に専念した。
「遺跡の場所は この先であってるだろ?・・・。」
「じゃぁ 私がしてあげる チュ!!」