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私の彼はユーチューバー  作者: 八田ガナ
6/36

私の彼はユーチューバー 3

長椅子に腰掛け、天を仰いでしまう。


今日も天井に設置されているスピーカーから

小音のBGMが流れていた。

CDショップなら、

あなたを癒すヒーリングミュージックと書かれた棚に置かれているような

ゆっくりした音楽。

そのジャケットは、森の中にビーチチェアーが置いてあり

音符が飛んでいると思う。


まあ、音楽でも聞いて心を落ちつかませましょう。

誰だっていい時もあれば、悪い時もあります。

人間だもの。

今は慌てずに焦らずにいきましょう。

なんとかなるから。

上から降ってくる音に身を委ねていたら、

そう言われている気がしてくる。


森の中で心を癒したいのではない。

私は迷い込んだ森の中から、一刻も早く出たいのです。


順番が回ってきて

空いたオフィスチェアーに腰をおろす。


目前のスクリーンには、

ハローワークの開館日や休業日、

始業時刻などが掲載されていて、

真面目に読んだことはない。


スクリーンにタッチすると、

あなたの年齢は?と問われる画面へ切り替わる。


2、4と十字キーをタッチすると、

検索する職種を指定できる画面へ移る。


医療系/事務系/営業職系/技術系といった

大まかな分類から、

看護師といった特定の職種まで絞り込むことができる。


私はやりたいことすら定まっていないので

全部の求人をチェックしている。


最新の求人票から、古いもの、

近隣のものから全国各地のものまで検索にひっかかる。


右上に該当何十万件という数字が映し出され

6件の見出しが表示されている。

一件ずつに会社名・職種・仕事内容・就業場所が羅列され、

会社名をタッチすると求人票が拡大される。


右下にある次へボタンをタッチすれば、新たな6件が表示される。


24歳の私に用意されているいくつもの未来。


どの未来もあり得る気がするし、どの未来も、

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