3話 大変なことになってました
長い!前回より長い!説明って難しいですね…
何か物音がして、ゆっくりと意識が浮上する。まだ眠気の残る頭でそっと目を開けると――
人がいる。結構いる。
びっくりした私は一気に覚醒する。ただ寝てるだけの娘のベッド脇に、パッと見5人くらいの人が座ってるんだよ?そりゃあ驚くでしょ。今までそんなこと無かったんだし。
ていうか、お父様、お母様、お兄様達3人、マリーに知らないおじさんに…6人もいるじゃん!みんな下向いてるけど、何かあったわけ??
あ、お父様と目が合った。
「アレクサンドラ…??」
「お父様?」
「アレクサンドラが目を覚ましたぞーっ!!」
「うひゃぁっ!?」
なになになに?何なの?深刻そうな顔しながら名前を呼ばれたかと思ったらお父様がいきなり叫んだんだけど!びっくりして変な声出ちゃったじゃん。目を覚ましたってどういう事よ?
なんて考えてるうちに下を向いてた他の人達も気付いたらしく、顔を覗き込んでくる。みんなどこかほっとしてるみたい。本当に何があったの?
私が1人混乱していると、お母様が泣きながら私をぎゅっと抱きしめてきた。
「気が付いて良かった…気分はどう?どこか痛かったりする?」
「大丈夫ですけど…何かあったのですか?」
「あなた誕生日に倒れてから10日も目を覚まさなかったのよ!」
えぇーーっ!?嘘でしょ??1晩じゃないの??まあ娘が10日も意識を失ってたら、家族総出でベッド脇に詰めてるのも納得…なのか?心配し過ぎのような気もするけどね。思ったより大変なことになってたんですけど。
家族の溺愛振りに少し驚きながらもこの状況について考えていると、後ろの方で立ってたおじさんが近づいてきた。
「アレクサンドラ様、失礼致します。私はフォーサイス伯爵家に仕える医師でございます。お身体を確認させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「は、はい。」
おじさんはお医者さんでした。そのまま少し診察され、暫くの間は安静にしているように、と言われてしまった。
お医者さんが出ていった後、家族にもゆっくり寝ているように、と釘を刺された。わざわざ言わなくても大人しくしてるのに。
マリーは私付きの侍女だからずっと側に居るようだが、他の人達はそれぞれの仕事があるという事で、物凄く心配しながら、それは残念そうに部屋を出ていった。出ていく時にみんなが頭をわしゃわしゃするので、最後にお父様が出る時には私の頭はぐしゃぐしゃになっていた。
「お嬢様、お水をお持ち致しました。」
マリーがそっとコップに入った水を差し出し、受け取って飲んだ私は、自分が疲れている事に気付く。身体が重く、長い間寝ていた事を実感しながらも最後の気力を振り絞ってマリーに向かって
「心配かけてごめんなさい。ありがとう。」
これだけ伝えるのが限界だったのか、私はすぐに意識を手放す。
「元気になられて本当に、本当に良かったです…」
泣いているマリーの震える声が、主の眠った部屋にそっと零れた。
家族が心配してる様子と、主人公のびっくりした感じ、伝わったかなあ?もう少し分かりやすく説明出来るよう、精進していきたいと思います。