12話 初授業
遅くなりました。
おはよう!
今日から先生との授業開始!何やるのかな?
「おはようございます、お嬢様。」
「おはよう、マリー!」
ノックと共に聞こえるマリーの声に私は満面の笑みで返事をし、ドアを開ける。
「起きていらっしゃいましたか。」
「うん!だって今日から先生の授業だから!」
「では急いで支度をして、朝食を頂き、セレスティーナ様をお待ちしましょうね。」
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朝食も食べ終わり、支度も終了。先生早く来ないかな?
自分の部屋で待つ事数分。部屋にマリーのノック音が響く。
「失礼致します、お嬢様。セレスティーナ様がご到着なさいました。」
私はうずうずしながら部屋から飛び出す。
「セレス先生っ!!おはようございます!」
「きゃっ!?」
おっと。先生に飛びつくのは驚かれちゃったかな?
「お嬢様!侯爵家令嬢ともあろうお方が…少しは慎みというものをですね――」
説教と共に突き刺さる、マリーの『私は呆れてますよ』って目線が痛い…。
「ふふふ」
「「?」」
「あ、いえ。すみません…アレックスはとても大人びていたので心配していたのですけど、杞憂でしたね…ふふ」
「そうなんです!お嬢様は可愛らしいんです!」
「っ!?!?」
本人を前にして何を言ってるんだこの人達は…??
「せ、セレス先生!そんな事より早く始めましょう!」
「ふふ。そうですね。」
先生…いつまで笑ってるのよ…。
思わずジト目で見てしまう――
すると先生が私の顔をじっと見て…不意ににこっと笑った。私は無意識に顔を背けてしまう。
は、破壊力抜群ね…今多分私の顔真っ赤になってるよ…。
「では、私は外におりますので。何か御用があればお呼び下さい。」
マリーが出ていく。
「さあ、始めましょうか。」
「はい!」
気を取り直してしっかりしなきゃ。だって先生との初授業、楽しみにしてたんだものね!
「では今日はすべての基本である、文字の読み方から始めましょうか。」
「あ、セレス先生。文字はほとんど読めますし、少しは書けます。」
「!?」
先生が目を見開いて私を凝視している。何か変な事言っちゃったのかな…?
「セレス先生?」
「あ、はい。4歳にして読み書きが出来るとは流石というしかないですね。…きっと侯爵夫人に教わったのでしょう。」
「そんな事ないですよ。少ししか出来ませんから。」
そんなに褒めても何も出ないよー。後半の呟きは聞こえなかったけど。
「では、どこまで出来るか一応確認だけさせて下さい。」
そう言って、先生は紙の束をゴソゴソし始める。
ま、まさか…ね?
「あった。これを解いてください。」
「せ、セレス先生?これは…?」
「テストです。ほとんど読めるという事なので、書き取りだけは確認させて下さい。」
「…はい。」
うわぁ、やっぱりテストだぁ……。どうしよう…。
って言ってもやるしかないし。マリーに習ったんだから大丈夫なはず!
本文では語られない(かもしれない)補足
アレクサンドラは、本人も無自覚のうちに精神年齢が肉体年齢に引っ張られています。それにより、時々周りから見て年相応の、可愛らしい言動をしてしまいます。
記念すべきブクマ50件到達!
こんな不定期投稿の拙作を応援して下さり、ありがとうございます!
日付は空いても、投稿は続けて頑張っていく予定ですので、今後ともよろしくお願い致します(*´ω`人)