11話 セレス先生side
セレス先生から見たアレクサンドラとの会話です。
思ったより長く、分かりにくくなりました。
暇な時に軽〜く流し読みして下さい。
そんな暇ないよ!って方は、後書きへ。
大まかな内容が2行でまとめてありますので。
あー緊張します…。
私の名前はセレスティーナ。今はただの平民。色々ありまして…。
まあそれは置いておいて。なんで緊張しているかですけど、今日から侯爵家のお嬢様の家庭教師をする事になったのです。私なんかを雇って下さるなんて、ありがたい事なのですが…やはり緊張しますね。
ふぅ…。
さあ、気を引き締めて頑張って行きましょう。
~~~~~
さて、侯爵家の門の前まで来たのですが…。
流石この国でもトップクラスの貴族ですね。屋敷の大きさが別格です。これから毎日ここに通うことになるわけですよね?
手が震えてきました。きっとこれは武者震いですね。えぇ。緊張してる訳ではないのです!
などと言っても圧倒された事実は変わらず。門の前でしばらく躊躇する事に。しかし、このまま門の前でうろうろしていてはただの不審者になってしまいます。さあ、勇気を出して…。
意を決して門番の方にご挨拶を。そして屋敷から出てきた使用人の方にもご挨拶を。そのまま――
「旦那様、セレスティーナ様がお見えになりました。」
「通しなさい。」
えーっと…。
私はどうやってここまで来たのでしょう?あまりにも緊張しすぎていたのか、気づいたら侯爵様のいらっしゃる執務室の目の前。執事の方が私の到着を告げています。侯爵様御一家をお待たせしているなんて。早く入らなくては。でも…。
はぁー怖い。怖すぎます。この顔合わせで私の人生が決まると言っても過言ではありませんもの。よし、深呼吸して。
すぅーはぁー…
さあ、いざ!
「失礼致します。」
ノックと共に告げます。中には侯爵様と正妻のエレアノール様が座っていらっしゃいます。話に聞いていた以上に美しい方ですね。間に座っている方が御息女のアレクサンドラ様でしょうか。どのような方なのでしょう?
「初めまして。この度アレクサンドラ様の家庭教師となります、セレスティーナと申します。この度は私を雇って下さりありがとうございます。」
「ああ、娘の事を頼んだぞ。」
「よろしく頼みますね。」
侯爵様と侯爵夫人に頼まれました。噂に聞く通り、唯一の御息女を溺愛なさっているようです。
「アレクサンドラ、ご挨拶を。」
「は、はい!セレスティーナ様、よろしくお願いします!」
侯爵夫人に急かされてアレクサンドラ様がご挨拶して下さいます。
「はい。よろしくお願いしますね。」
アレクサンドラ様が私の顔をじっと見ていらっしゃいます。顔に何か付いていたのでしょうか?
「マリーにアレクサンドラの部屋まで案内させよう。アレクサンドラも一緒に行ってきなさい。」
「はい、お父様。」
「ありがとうございます、侯爵様。」
~~~~~
侯爵様の計らいで、マリーさんという侍女の方にアレクサンドラ様のお部屋に案内して頂きました。年相応の可愛らしいお部屋です。
マリーさんが退出してしまわれました!アレクサンドラ様と2人っきり…。何か言わなきゃ!でも何を?うぅぅ…。
「あのー…。」
私の緊張を察したのか、アレクサンドラ様が声をかけて下さいました。おかげで私も何とか自己紹介が出来ました。
え?侯爵家の御息女を愛称で呼べと!?そんな事…。そんな期待するような目で見ないで下さい!
うぅ…分かりました!分かりましたから!アレックスと呼ばせて頂きます!何故かは存じ上げませんけど。
でも、お願いですから私に様は付けないでください!
結局先生と呼ばれる事になりました。普通は呼び捨てにするものですが…。
アレックスの提案でお茶を飲みながら少しお話しをする事になりました。先程からしっかりした受け答えをなさるので、どうして早くから家庭教師をとったのか聞いてみます。すると、しっかりとしているけれども子供らしい答えが返ってきました。
今度は私が質問される番です。あぁ、アレックスは4歳とは思えない程利口な方。きっと私の出自とかを聞いてくるはずです。ここでも私は厄介払いされてしまうのでしょうか…?
と思ったのですが、アレックスはもっと違う事を聞いてきました。思わず何故かと聞いてしまう程。すると思いがけない言葉をかけられました。先生はもう家族のようなもの、と…。
この言葉を聞いて私は、話してみたくなりました。やめておいた方がいい、きっと今までの人達みたいに軽蔑されてしまう、皆私から離れていってしまう…。そんな事分かっています!でも、この方なら…アレックスならば…っ!!
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あぁ。話してしまった。少し魔が差してしまっただけなのです。嫌わないで…追い出さないで…
私が陰鬱な思いに囚われて後悔していると、アレックスが
「その彼女は、家庭教師になれて幸せですか?」
やはり…賢い方ですから、きっと私の事だと気付いている事でしょう。話すべきではなかったのです…。それでも私は、私の本心を伝える事にします。
「――はい。彼女はやっと居場所を見つけられましたから。」
「それなら良かったです。私も彼女には幸せになって欲しいですから。」
あぁ…話してよかったっ!…話せてよかった…っ!この方なら…いえ、この方だからこそ、これから先ついていきます!例え何があろうともっ!
「―――っ!!…ありがとう…ございますっ!」
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それからしばらくの間、嗚咽を堪えるだけで必死でした。初日の顔合わせから醜態を晒してしまうとは…。
しかし、アレックスとは少し打ち解ける事が出来たと思います。やはり隠し事は無い方が、双方にとって楽ですから。話してよかったと思います。
その後夕食に誘われ、遠慮しようと思ったのですが、侯爵夫人にまで招かれてしまい、頂くことになりました。久しぶりに大人数で囲む食卓。規模は雲泥の差ですが、どこか懐かしく思えました。
私はセレスティーナ。侯爵家令嬢の家庭教師。これから誠心誠意勤めさせて頂きます!
2話分の話を詰め込んだせいで、長く、分かりにくくなってしまいました。
読んでくださった方はお疲れ様でした。余計に混乱してしまったのだとしたら、申し訳ございません。
セレス先生の、アレックスに対する感情の動き方が伝わると嬉しいです!
読んでいない方は、
アレックスにセレス先生という味方が増えたよ!
しかも親密度はとても高いよ!
って事だけ押さえておいて下さい。
それにしても、最近急に寒くなりましたね。そのせいで私はお腹を壊しました…(´・ω・`)
皆様も体調には気を付けてください。
また暑くなるようなので…。