10話 物語の彼女は
話がなかなか進まない…(´・ω・`)
「――って、私はまだ幼い子供相手に何を長々と話しているのでしょうね。面白くなかったですよね?すみません。」
今の話って、もしかしなくてもそうだよね…?
「それで…物語の彼女は、卒業後どうなったのですか?」
「――そうですね…。彼女の地位は卒業の時点で地に落ちていました。その為、学園の後に学術院に進学し、そこでも首席で卒業したにも関わらず、行く宛はありませんでした。しかし、心優しい貴族の方が家庭教師として雇って下さったのです。」
やっぱり先生の話だったんだ…。
「そうなんですか…。」
「やっぱりこんなお話しをされても困りますよね?それに聞いていても楽しいものではなかっ――」
「セレス先生。」
「……。」
「その彼女は、家庭教師になれて幸せですか?」
「――はい。彼女はやっと居場所を見つけられましたから。」
「それなら良かったです。私も彼女には幸せになって欲しいですから。」
私はにこっと笑いながら言う。先生とは今日初めて会ったけれども、私は先生の事が好きだから。
「―――っ!!…ありがとう…ございますっ!」
先生は少し目を見開いた後、涙ぐみながら感謝してくれる。先生も辛かったんだろうな…。
~~~~~
あれからしばらく先生は感極まっていたようだけど、昔の話をするのはやっぱり辛かったのかな?でも私は、先生ともっと仲良くなれたようで凄く嬉しかった。
だって私には、先生に限らず誰にも…そう誰にも話せない事がある訳だし…。いつか誰かと共有できる時は来るのかな…。
はぁー…。
よし、愚痴は終了!弱気になっちゃダメだよね!人生楽しまなきゃ損だもの。
その後、先生が落ち着いてからは他愛のない話をした。1番面白かったのは街の話かな?私はまだこの屋敷から出た事が無いからね。
街は沢山の人がいて、活気があるんだって!一応異世界(?)な訳だし、行ってみたいよね!
結構時間も遅くなっていたし、あまり詳しくは聞けなかったから、今度からは暇な時に沢山話してもらおう。これから先生には色々教わるわけだし、時間はいっぱいあるよね!
夕飯の時間になるまで話し込んじゃってたから、先生も一緒にご飯を食べることになったんだよ。最初誘った時、先生は
「侯爵家の方々との食事など恐れ多いです!お邪魔になるでしょうから急いで帰らせて頂きますね!」
なんて言っていたけど、部屋の前の廊下でお母様に会って、結局そのまま食べることになったの。お母様、もしかして待ってたのかな?
先生は凄く緊張してたみたいだけど、やっぱり流石貴族の出なだけあるよね。マナーとか完璧だったもん。私も頑張ってマスターしなきゃね。
ご飯が終わった後先生はすぐに帰っちゃったけど、帰った途端に家族全員で詰め寄ってきて、先生はどうだったかって聞くのはどうかと思うんだよ。ちょっと怖かったのは内緒だけど。
まだ授業はしてないど優しくていい先生だと思う、って言ったら皆凄くほっとした顔してたな。やっぱり心配してくれてたのかな?
先生を家庭教師にしてくれてありがとう、って言ったら、お父様とお母様がにこにこしながら頭を撫でてくれた。
でも今日はちょっと疲れたな…。色々あった訳だし。先生の事知れたから良かったけど、悲しそうだったし何とか出来ないかな…?まあ、例え出来るとしてもまだ子供だから無理かな。いつか解決して、先生が家族と再会出来るといいんだけど。
ふわぁー…
ベッドで色々考えてたら時間経っちゃったな。早く寝ないと、明日から先生との授業だしね。楽しみ!
おやすみなさい。
先生のお話しに対する反応、少し変かな?説明足りないかもです。
後半部分、つまりは夕食時の会話とかちゃんと書こうかとも思ったんですが、あまりにも長くなりそうだったので、その日の夜に思い返している、という事にして端折りました。
全体的にちょっと分かりにくくなってしまったような気がしますが、良い案を思い付いたら書き足していこうと思います。
それにしてもアレックスが学園に行くまでにどれだけかかるのだろうか…。
次回は先生視点にしてみようかと思ってます。
が、その後しばらく日常編が続きます(多分)。
大まかなあらすじ以外決めずに始めたので、ネタがないです(結構切実)
何か案があればぜひともっ!!m(_ _)m