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魔王の仕事は書類整理

僕は次の日、また落ちた。床が消えた。

「陛下、お待ちしておりました」

「もうちょっとなんとかならないの?」

「すいません」

なんかロレンスの顔見てたらそれ以上言う気にもなれなかった。

「ねえロレンス、行き来の魔法教えて」

「それは俺には無理です」

適正の問題かな。でもロレンスがダメってどうしよう。

「今日は新魔王の儀式があります」

めんどくさいな、でも仕方ないか。

「僕は何すればいいの?」

「国民の前で宣言します」

それからロレンスにいろいろ聞いた。新魔王の儀式は今日の夕方やるらしい。それまでは昨日の女性と魔術の練習をしていた。

しばらく練習をして簡単な魔術なら使えるようになった。その頃にはもうすぐ儀式の時間だった。

「陛下これに着替えて下さい」

「は、派手すぎるよ」

いろいろ交渉して着ていた学ランに少し装飾してそれで終わりということになった。

「では、行きましょう」

手を差し出してきたので素直に手を取る。

僕が行ったのは城下町が見渡せそうな城の高いとこだった。

「さあ、陛下」

ロレンスに背中を押される。そして数歩前に出た。

下にはいっぱい人がいる。そしてこっちをほとんどの人が見ている。

一回息を吐き、喋り始めた。

「僕は新魔王の悠翔です!僕はこの国をよりよい国に、そしてまずは全国民が笑顔でいられるような国にします!」

頭を下げロレンスのとこに戻る。

「頑張りましたね、陛下」

「うん、ロレンス」

下では歓声が上がっている。しかしそれに耳を傾ける元気は残っていない。

「戻りますか?」

「うん」

そして部屋に戻った。

「疲れたぁ」

ベッドに横たわる。

なんかどっと疲れたな。こんな疲れたのいつぶりだろうか。

コンコン

「どうぞ」

ノックして何も言わないとこを考えるとロレンスではないな。

入ってきたのはガブリアスだった。

「なんのようですか?」

「魔王になったからには仕事してもらう、執務室行くぞ」

僕は執務室まで引っ張られた。正直もう少し休んでいたい。

「これをやってもらう」

そこにあったのは書類の山だった。

こんなにあるのか、すごく大変だ。

一枚紙を取って見てみる。思った通り読めない。

何語だよ、これ。理解できるはずがない。

「これどうすればいいのです?」

「サインすればいいだけだ」

とりあえず僕は椅子に座り、日本語で自分の名前を書いていく。

「綺麗な字ですね、陛下」

「ロレンス、いたんだ!」

ロレンスはニコリとした。

「ええ、まあ」

何か曖昧だな。まあそんなことよりこれを終わらせなければ。

少しでも終わらせるように集中していたがいきなり集中が切れた。

「あー、もう嫌だ」

「頑張って下さい、ユート」

はぁ、うまいよ。うますぎるよロレンス。そんな顔されたら頑張るしかないじゃん。

しばらくして書類の山はかなり減った。すべて終わったとまではいかないが頑張った。

「あとは明日でいい?」

「ああ、ちゃんとやるんだぞ」

部屋に戻ってベッドに転がった。

寝れない、ベッドとか部屋がでかすぎて落ち着かない。

ロレンスの部屋に行こうかと考えたがロレンスの部屋を知らないという結論に至った。

しょうがない、寝れなくてもじっとしてるか。

じっとしてたらいろんなことが頭を過ぎる。

何故僕が魔王なんてしているのか。僕より適任な人はもっといろんな人がいると思う。そしてここはどこなのか。異世界ということしか分からない。この国のこともよく知らない。知りたいこととか、いっぱいあるけど知るだけの余裕はない。考えるのをやめるしかないのか。

そんなことを考えるのをやめたら案外すんなり寝れた。

起きると朝になっていた。

もう朝か、早いな。

ベッドから出て、着替えたり顔洗ったりとして執務室に向かった。行く途中兵士が訓練してるのが見えた。

朝、早いんだな。てことは、ロレンスも起きてるかな。

執務室について、入るとロレンスとガブリアスと美形の知らない男性がいた。

「おはようございます」

「おはようございます、ユート」

「おはようございます、陛下」

ロレンスと美形男性は挨拶を返してくれた。

「そちらの美形男性は?」

「申し遅れました、私ディレアと申します」

ここはどうしてこうも美形ばかりなんだ。おかしいだろ、僕にもその顔面偏差値わけてほしいよ。

「どうでもいい、仕事しろ」

ガブリアスは厳しい。そんなんだと老いが早まるぞ。

「分かってますよ」

書類にサインを始める。一国の王が書類にサインしかしてないっていろいろといいのかなぁ。

やりながらそんなことを考える。だが、考えるだけ無駄という結論に至った。

仕方なく終わるまで執務室にこもっていた。

書類にサインをすべて終えると魔術を教えてくれた女性のとこに向かった。

「あの、また魔術教えて下さい」

僕は頭を下げる。王だろうがお願いするときはこうするものだろう。

「是非」

そしてまた魔術を教えてもらった。とくに地球とこっちを行き来する魔術を重点的に教えてもらった。

多分魔力で満ちているここでなら地球に帰れるらしい。いわゆる一方通行だ。帰れるけどこれない。

「ありがとうございました」

また頭を下げ、ロレンスを探しに出た。

執務室にはおらず、いろいろ探し回った。そしたら裏庭にいた。

「ロレンス!」

「ユート、どうしたんですか?」

「いろいろ教えて欲しくて」

そこからいろんな話をした。どうでもいい雑談から気になっていたことまで、いろいろと。

しばらく話して区切りがついたとこで帰る旨話した。

「そうですか、お気をつけてお帰り下さい」

「ロレンス、またね」

僕はそこから魔術を使って地球に帰った。

落ちた場所と同じ場所で意識が戻る。時間はほとんど進んでいないようだった。もしかしたら一日経ってるのかもしれないけど。

そこからいろいろ確認して、時間はほとんど進んでないということがわかった。

そして普通の高校1年生に戻った。

三話からは間があきます

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