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ハーレムの参謀

いつも通り部屋でパソコンを構っていると、ノックの音が聞こえた。右手でパソコンを閉じながら左手でパーカーを掴む。腕を通しながらドアに近づく。

「どちらさーん?」

扉を開けると、身長も目の下のクマも灰色のパーカーもお揃いな男の子が立っていた。今日は珍しくリビングに出てた、ウチの引きこもり。

「はやとん?どうしたの?」

クセっ毛頭を掻きながら、はやとんは僕の部屋に入ってきた。寝不足で腫れた目付きの悪さで、ジっと顔を見てくる。

「…なんか悪い夢見たの?」

椅子に座りながら聞いてきた。遠慮の無さに驚いた。見透かされた事には驚かない。さすがだな、と思うだけだ。

「ふへ、バレちゃった?はやとんさすがだわー」

頭をわしゃわしゃと撫で回すと、無表情のままその手を掴まれた。

「…あんまり問いただすことはしないけど、無理すんなよ」

いつも無口であまり出くわさない、そんなはやとんを敬遠する人はこの家にもいるけど、敬遠なんてしないべきであるとハッキリ言えるほどの優しさがこの子には備わってるなぁ、と。ふと思った。いつでも家族の問題をいち早く察し、他言することなく、責任者である僕に伝え、解決法まで提示してくれる。ここは居場所のない人が集まる場所だけど、はやとんは居場所ができてもいて欲しいと思ってしまう。

「ありがとね、紫苑さんは大丈夫だよ。それよりさ…」

ハーレムの主人と参謀、この二人が内緒で話をすることはよくある。故に隠し事も少ない、できそうもない。

「明日、付き合ってほしいんだけど」

一瞬驚いた顔を見せたが、僕のなにか企んでる顔を見て、はやとんも楽しそうに口元を歪めた。

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