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そんなムシの良い話  作者: フロムディ
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とある日。森の中にて


スキル検証を行ったり、寝床を作ったり、忙しい日々を過ごす事およそ1ヵ月。最近は狼さんを見かけづらくなってしまった。


うん。原因は俺だと思うの。なんでかって?見つけたら狩っては食って。群れだろうがなんだろうがお構いなし。たまに大きいやつとかも出たけどおいしく頂いちゃいました。


狼さんだけじゃなく、やたらとデカイ角を持った鹿も頂きました。・・・そしたらさ、主の方ですかね?なにやら燃えてる熊さんに出会ったんです。


燃えてる?・・そう物理的に燃えてるんです。正確に言うと手の甲から肩に向かってボウボウと。背中も轟々と。近付くだけで熱いんです。こいつは面倒です。一回倒そうと試みたのですが、意外にも反応してくるんですよね。真正面から<強化突進>(身体強化と高速思考を同時に行う突進)をするとしっかりとみて叩かれました。たたかれた瞬間何が起きたのかわからない衝撃が身体を襲いました。どうやらこの身体痛みとう感覚がないようで痛い、とは思わないんですけどね・・・。身体があんまりいうこと効いてくれなくなるのですよ。これはあかん。そう思って逃げました。



そいつとの追いかけっこは結構続きました。時に撃退したり、時に逃げたり。逃げてもしつこく追ってくるので周りの木々や動植物を巻き込んだりした事もしばしば。最近はからかったりしたりして鬱憤を当てる事もあったけど。あいつにやられた身体を癒すにはさくっと狩れる狼さんや角の大きい鹿さん、図体がでかい上に時たまパチパチと放電する鳥さんなんかを身体の中から頂いたりしてたら、ねぐら付近にはあまりいなくなってしまった。


正直やりすぎたとは思う。後悔はしていない。じゃ無きゃ俺が食われてるかやられてるから。しょうがないのでねぐらよりもうちょっとだけ森の奥に向かって獲物さんを探す事にした。


飛び続ける事数十分。五匹ほどで群れてるちょっと?大きい狼さんをハケーン。ヤパリツイテルネワタシ。どうやら何かに群がってるようですが、警戒心が足りませんねぇ。


隙だらけなので早速・・・


アーツ<強化突進>を発動しました。





狼さんズの群れに遭遇してからおよそ10秒にも満たない一瞬で五匹のうち二匹が物言わぬ骸と化したことで残りのお肉、狼さんズは散り散りになって行きます。ジュルリ。逃がすつもりはありませ、・・・おや?おやや?


狼さんズが集まっていた場所にふと目がいくと何やら生き物がいます。それを見たせいで一瞬思考が停止してしまいました。ハッと我に返ってあたりを見回す頃には狼さんズはもう見えなくなりました。追いかけてもいいんだけど、「これ」を放置するわけにはいかないよなぁ・・・・・・。とりあえず腹ごしらえだな!!




ご馳走様でした。はぁ~満足満足。なんだろう。いつもの狼さんより歯応えがあり、よりとろけるような肉汁でした。味わい深い脂身に凝縮した出汁が詰まったかのような骨。濃厚でそれでいてさらっとしたのど越しのお味噌。大変おいしゅうございました・・・


今日はもういいや。段々眠くなってきたぜ。そろそろ寝床に帰るとしますかね。・・・。




うん。わかってるんだ。「これ」でしょ?そうだよね~どうしようかね。

この「人間」。

明らかに人間だよねぇ。放置したい。物凄く放置したい。だけど、忘れちまいがちですが私は元人間。今は虫だけど。結果的には救った事になるのかな?流石に放置しちゃまた食べられちゃいそうだし・・・。良く見ると怪我してますよこの人。


ちくせう。気になってしまったら助けるしかないじゃないですか。寝床まで担いでいきましょう。お手手の棘が刺さらないように上手いこと力加減を調整してぶぃ~んとな。十数分でねぐらに着いたので葉っぱのベッドに寝かしておく。このやろう。俺が作ったベッドに宿主を差し置いて寝るとは。・・・しょうがないから入り口近くでうずくまって寝るとしましょう。


今日はもう眠いっす。おやすみなさい・・・



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