むしろ小4くらいから発症してました
警戒している狼さんの周りを見回してみるとどうやら一匹だけのようだ。慣らしにはちょうど良い。この身体がどこまで強いのか小手調べってやつですね。
まずはこの大きな身体を利用して体当たりをかましてみるとする。
威力が出るように高速で飛行して手足を折りたたみ、はさみと角が一点になるように閉じて狼さんの体の中心に向かって迷わず突っ込んでみましょう。
―スキル<身体強化>を発動しました―
―アーツ<突進>を発動しました―
すると視界がぶれたと思ったら次の瞬間には目の前には木々が広がってました。
あらやだ、なにこれ。視界を反転してみると後方には身体に風穴を開けてるがなにが起こったのか理解が遅れている狼さん。一間を置いて血を吐き、どてっぱらに風穴開いて倒れる狼さん。
・・・おぉ。すげぇな俺。
聞きなれない言葉がまた頭の中を流れたが、とりあえずお肉となった狼さんをむしゃむしゃとね。腐らせるわけにもいかんし、早めに処理しましょう。硬い骨もゴリゴリとむさぼってぺろりと平らげちゃいました。狼さんうめぇ。力が漲ってくるし、カメレオンさんより味が濃厚です。これは良い。
ふぅっと一息ついたところで色々検証だ。まずはスキルかな。存在進化したときに覚えた<身体強化>。コレが発動したのはなぜだ?攻撃行動をとったから?・・・いや、違うな。恐らく自分で意識したというか、身体に力を漲らせたからだ。
あのとき突っ込む瞬間に【身体を硬く、力強くする】という気持ちで突進しようと思った瞬間テロップが鳴り響いた。
頭の中でスキル名を叫んだわけでもないし、スキルを意識したわけでもない。恐らく補助的に発動したのだと思う。
・・・む。また考えすぎてる自分がいるな。考察は悪くないが今じゃない。ゆっくり出来るときにしよう。
とりあえず実験だ。気持ちで発動するのか、頭の中でスキル名を叫ぶものなのか。まずは叫んでみよう。
身体強化、発動!!
シーン・・・・・・・・・・・・・ですよね。あぁ、穴があったら入りたい。
恥ずかしい事この上ないっ。なんだよ発動!!って。中二も真っ青な事案だ。
・・・オーケーオーケー。大分落ち着いてきた。次だ!
身体を強くしたいという気持ちを強く持ってみる。
スキル<身体強化>が発動しました
おぉ!?身体に力が漲る!!フォォォォッ!!!
むむむ。こ、これは危険だ。俺は強い!!みたいな凄まじい高揚感が体中を支配している。
これは足元を掬われかれない感覚だ。使いならして気持ちに支配されないようにしなくてはいずれそうなるだろう。今俺が持っている<高速思考>も同等と考えるべきだな。
次にアーツだな。これはなんだ?スキルとは違うのか?・・・・・・
あれ、鑑定的なやつが出ない。・・あぁ、こういうことか?<突進>ってなんだろう?
<突進>・・・アーツ<突進>。主に魔物が行使するアーツの一つ。直線的方向に向かって身体を当てるアーツ。体重×速度によって威力が比例する為、重量級の魔物が使うと途端に恐ろしい威力を発揮する。
ほうほう。技みたいなもんか。これは重宝。スキルのほかにこんなもんがあるのか。
知れば知るほど、考えれば考えるほど面白いですね。それと同時に恐ろしいな。
スキルやアーツ、それは人間だけじゃなく魔物も使えるっていうこと。これはますます生き延びる為にも力をつけなきゃいかんだろう。
その為に俺がすること。魔物を狩って狩って狩りまくること。それ以外に今の俺ができる事はない。よし、とりあえず近隣にいる狼やらなにやらを探して自身の糧になってもらいましょう。
上空へと少々飛んでみると狼さんを三匹ほどの群れで発見。辺りを警戒しているようにも見える。警戒するのは当然ではあるが、← ↑ →みたいなかんじで後方の視界をカバーしきれていないぞ。前だけじゃなく後ろにも気をつけるべきだよ○智君。ってなわけで突貫。
―スキル<身体強化>を発動しました―
―アーツ<突進>を発動しました―
←の子に向かって横から突進。やはり速すぎるせいでおれ自身でも何が起きたか解らん。
唐突に吹いた風に警戒をする↑と→を見てた狼さんズ。
ドスッと音を立てて倒れる←を見てた狼さん、それに驚く狼さんズ。
<突進>を使うと速すぎて俺にも何が起きてるのか解らんので次は<高速思考>も同時に行ってみよう。
―スキル<身体強化>を発動しました―
―スキル<高速思考>を発動しました―
―アーツ<突進>を発動しました―
すると解りました。なにやら身体が軽く、そして力強くなったと思ったら羽が戦闘機張りに鋭角に閉じた瞬間に物凄い速さで狼さんに突っ込んでいきました。するとあら不思議。なんの抵抗も無く狼さんの身体を突き抜けていくじゃありませんか。角の先には肉塊となった狼さんのお肉。所々で血が吹いております。
これは酷い。
残りの一匹も難なく仕留め終わり、スキルの検証と把握もとりあえずはできたのでお食事タイムとする。
流石に三匹は食いきれそうにないので明日のために一匹残してあとはぺろりと平らげる。・・・この身体の何処にそんな入るのだろう・・・。残りの一匹を抱えてねぐらに向かって飛んでいく。・・・気を抜くと眠ってしまいそうだ。さっさと帰ってオネムとしましょう・・・。
皆様はいつ頃でしたでしょうか?