どうする?
「悪鬼の集合体!?」
普通は、目には見えないはずの悪鬼が
どす黒く、はっきりと見えることにエリスは驚きを隠せずにいた
「うん。でも、雨雲雷雲に取り付いてるから、どす黒いのは雲の色だろうけど」
タナトスは冷静に空を見つめ、今の状況を把握している
「それんじゃ、ホントに悪鬼が見えるって訳じゃないんだね」
エリスは降りしきる雨の中、すぐ近くにいるタナトスに大声で話しかける
「うん。でも、あれほどの集合体だからどんな事が起こるかわからないよ」
そう言ってるうちに、空に見えるどす黒い雲の固まりは大きくなっていく
「それで、どうやって悪鬼を祓うの」
今にも吹き飛ばされそうなエリス
「なんにせよ、まずは悪鬼に近づかないと」
「どうやって」
踏ん張りきれなくなったのか、エリスはその場に倒れこんだ
「まぁ、やるしかないさ」
そう言ってタナトスは相談所の奥から、大き目の輪の付いた棒を持ってきた
それを見たエリスは
「それって、確か悪鬼を捕まえるやつだよね。確か・・・・・リング・・・なんとか」
「そぅ、リングリング。悪鬼を捕まえる道具だけど、捕まえられるかって物置に置いといた物」
タナトスはリングリングを色々と振っている
「それを、どうするの」
少しずつエリスの声が小さくなっていく。風が強くなっているのだろうか
「悪鬼が集まってるなら、地上の悪鬼も空に集まってるだろうから、それを捕まえる」
「できるのそんなこと」
「やるしかない」
そう言ってタナトスは走り出した。リングリングを振りながら後ろで聞こえなくなっていくエリスの声を聞きながら