解決ついでに・・・
「まぁ、相談所では話も聞いてないので
いろいろと聞かせてください」
慣れた口調でエリスは言う
「何から話します?」
久瀬さんは聞き返す
「んーと、いつから起きました?」
「一昨日、昨日くらいですね。楽しいんだけど気味が悪くて」
「その日に何かやりました?」
「そうですねぇ……。掃除程度かな……したことは」
そんな話しが繰り広げられる
いつものようにタナトスは一言もしゃべらない
それどころか口を開けず、部屋のゴミ箱を見ているだけだった
タナトスが、ゴミ箱から顔を話に戻す
それに気づいたエリスが
「タナトス、何か気がついた?」
タナトスは頭を軽く下げて頷く
「まぁ、予想は付いてるんだね」
エリスがそういうと、タナトスはエリスに耳を貸してくれと言いたげに
エリスを指差し、その次に自分の耳を指差す
それが伝わり、エリスは耳をタナトスの口に当てる
「なるほどねぇ。いいねぇ」
二里のやり取りが聞こえなかった久瀬さんは
「わかったんですか?」
そう聞いてきた。
エリスは顔を久瀬さんに向けると
「はい。わかりましたので、向こうの窓に立っていてください」
言われるままに久瀬さんは、腑に落ちない顔でベランダに出て、窓に立つ
窓に立っている久瀬さんに、エリスは近づいて
「そのまま、窓の上にいてくださいね」
訳の分からぬ久瀬さんはただ、頷くだけだった
そして、部屋に戻り、タナトスと顔を合わせて
エリスは、不気味な顔をして
タナトスは、いつもの暗い表情を崩して笑った
その後、ゴミ箱の近くに立って、じっと見る
「なるほどね・・・」
エリスの目先にあったのは、木で作られた
・・・なんなんだろうか・・・
「多分、これだろうね」
エリスは言った
「長い間大事にされて、壊れたからゴミ箱行き
それで想いがこもったものが、変化したんだろうね」
タナトスの説明
「人の想いが、物の重いとなって、気づいてもらいたかったんでしょうね」
エリスの結論