不可思議摩訶不思議
歩きながら、話をしている三人
「それで、本題に入るけどいい?」
その話を切り出したのは久瀬さんだった。
「あ、はい、どうぞ。詳しくお聞かせください」
エリスは普通に、返答した。
「でも、言葉で伝えにくいというか、伝わらないというか、
どう言ったらいいかわからないから、ついて来て」
久瀬さんは廊下を進み、部屋の扉を開けた。
その部屋に入ろうとしたエリスとタナトスだが、扉の前で立ち止まった。
「・・・ここだね・・・」
「・・・うん」
「いつもの悪鬼とは違う感じだけど・・・」
「・・・うん」
「早く入って来て」
立ち止まり、話をしていた二里を、久瀬さんは呼びかける。
二里が部屋に入ると、入った目の前に大きな窓、ベランダへの入り口
すぐ右には机、いろいろと散らかっている。
すぐ左の壁は、いろいろと紙が貼ってある。
机と窓の間にベット、枕が窓側に置いてある。
二里が部屋を見渡していると、久瀬さんがいないことに気づいた。
「こっちこっち」
ベランダのほうで呼んでいたようで、エリスは数歩先のベランダへ歩いた。
タナトスは机の近くにある小さなゴミ箱を、じっと見つめている。
「え〜〜〜」
エリスの叫び声が聞こえた。
ベランダの横を向いて、ほとんど動かなかった。
タナトスがベランダに行くとそこには、
窓に足をつけ、垂直に立っている……横になっている?
とにかく、足を窓につけている久瀬さんがいたのだ。