三人目
猫探しも短時間で終わり、次の訪問者が来るまで
二里は待っている。
二日後、相談所の扉をくぐる人が現れた。
「すみませーん」
元気よく聞こえた声
エリスはすぐ、入り口に向かった。
「いらっしゃいませー」
入り口に立っているのは、日下さんと似た感じのする
学生さんのようだった。
エリスが来て、客は言う
「ここって、何でも解決してくれるんですよね?」
その質問にエリスは答える
「はい、なんでもかん……」
急にエリスが言うのを止め、下を向き、口を押さえている。
「どうしました?」
客が心配そうにしている。
エリスは首を振り、急いで台所に向かった。
廊下を通るときにタナトスとすれ違い、
タナトスが客の相手をすることになった。
「それで、相談事は」
重い口を開き、タナトスは言う
「はい。私は久瀬 公哉といいます。
実は家のことなんですけど、わたしはマンションで父母の三人暮らししてるんです。
まぁ、父母は関係ないんですが。
私の部屋がおかしいというか、楽しいというか、
実際にその部屋に行かないと説明しにくいので、案内するので着いて来てくれますか?」
タナトスが口をはさまないので、久瀬さんは止めずに内容を話した。
全てを聞き終わったタナトスはコクリとうなずいた。
タナトスが立ち上がると、エリスが戻ってきた。
「あれ?どっかいくの?」
エリスは言った。
「では、着いて来て下さい」
何のことかは分からないエリスだが、とりあえず着いていく。
タナトスも後ろを追うように相談所を出て行った。