順風満帆
あいさつもそこそこにして、依頼内容に移ったので
タナトスが探してくる間に、自己紹介が始まった。
「私は、エリスと申します。
先ほど捜しに行った子がタナトスです。
私達、二里だけで、この相談所を営んでいます」
エリスは、自分たちの事、この相談所のことについて
手短く説明した。
「まぁ、偉いわね。あなたたちのような子供が
こんな相談所をやってるなんて」
「見た目は子供ですけど、実力実績はありますから」
相談者の言葉に答えていくエリス
「私は[みのりみどり]と言います」
「みのり・・みどり様?」
漢字で書くとどうなるのか分からなくて、考えるエリス。
それが顔に出たのか、みのりさんは自己紹介を進めた。
「箕輪の箕、弓二つの間に百の弼で箕弼
みどりは、王、白、石で碧
繋げて、[箕弼 碧]よ」
箕弼さんは紙に書きながら説明していった。
「難しいですね…」
「よく言われるわ」
箕弼さんは、慣れているのか、さらりと受け流した。
そのうち、タナトスが帰ってきた。
暗い表情の肩には、ヒョウ柄の猫が丸まっている。
「タナトス、また高いところから降りてきた?
猫ちゃんが怖がってるでしょ」
タナトスの心配でなく、猫の心配をするエリス
「見た目は子ヒョウなのにな…」
「イリーちゃん」
箕弼さんがタナトス近づきながら言う
「イリーちゃんか…」
エリスは思った。
イリーも呼ばれたのに気づいたのか、箕弼さんに飛び移った。
「どこ行ってたの。よしよし」
箕弼さんは猫を撫でまくる。
イリーは、叫び声のような鳴き声で鳴く。
そんな一人一匹を他所に、タナトスは部屋へと歩いた
エリスとすれ違うとき、
「何かあったりした?」
「別に。ただ、悪鬼のしわざって感じだ」
そう話した。
タナトスは部屋へと戻る。
箕弼さんは立ち上がり
「ありがとうございます」
そういった。
「どういたしまして。これからもイリーちゃんを大事にしてくださいね」
箕弼さんは軽くお辞儀をして、相談所を出て行った。
なんか長くなりました…