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基本会話ばかりです。

地の文をうまく書くのって難しいですよね。

青年が二人、向かい合っていた。



片方は黒髪を刈り込んだ短髪。やや浅黒い肌で体つきは筋肉質。その姿は精悍な戦士を思わせた。


片方は金の長髪。色白でやや華奢ではあるが、周りを畏怖させるような雰囲気を纏っていた。



「なあ、勇者。」


パチン。


「何だ、魔王。」


パチン。


「もう少し、手加減してくれても良いと思うのだが。」


「嫌だね。」


二人の間には木の、升目が書かれた板。


いわゆる将棋盤が置いてある。


「私は初心者だぞ?」


パチン、と駒を打つ音が響く。


よく晴れた日の、庭に面した縁側だった。


「角落ちなら俺に勝てるって奴は初心者とは言わねえよ。


 これでも地元じゃ敵無しだったからな。」


「むぅ。」


と、唸りながら金髪の青年が駒を指す。


「これでどうだ?」


少し得意げに言う。


「ほほう。」


短髪の青年は感心したような顔。


「ふふふ、自分でもなかなかいい手だと思うぞ。」


「そうだな。予想の範囲内だがその中でも最善手だな。」


感心はしたが、慌てた様子はなく、短髪の青年は淡々と指す。


「ほいっと。」


パチン。


「ぬぁ!?」


パチン


「ほら」


パチン


「・・・ぐぅ。」


「これで詰み、っと。」


金髪の、魔王と呼ばれた青年はその声を聴いた瞬間に後ろへ倒れこむ。


「むむ、また負けたか。」


それに対し、短髪の勇者と呼ばれる青年は、


「ぶっちゃけ、10手くらい前から俺の勝ちだったけどな。」


と追い討ちをかける。


「・・・・・・勇者よ、よく性格悪いって言われなかったか?」


「・・・・・・性格悪くなきゃ、戦えなかったな。」


「ああ、そうか。すまんな。」


「別に謝ることじゃないさ。」


そうか、と呟き、魔王は身を起こす。


勇者は横においてある湯飲みからお茶を啜る。


「なあ、魔王。」


「何だ、勇者。」


「平和、だな。」


「ああ、そうだな。」



空を見上げると、雲ひとつない青空が広がっていた。


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