アイーダ姫 3
今回は作者視点。
家に帰るとカタカタと音が聞こえてくる。
泥棒?そ、それとも……ゆ、幽霊?
ど、どうしよう?
息は小さいが、心臓の鼓動は大きい。
それでも、細心の注意を払って忍び足をしながら音の聞こえてくる自分の部屋へ向かう。
そして、閉まってる扉を開けて
「だ、誰だ!?ふ、不法侵入は犯罪なんだぞ!!」
と、叫びながら部屋へ突入する。
だけど、その部屋には誰もいなくて、家を出るときに閉じたはずのノートパソコンが開き電源が点いている。
そして、そのキーボードのキーが勝手に文字が打ち込まれていく。……誰も触ってないのにだ。
「ヒイッ。ゆ、幽霊!!」
ビビって足が勝手に後ろへ下がろうとする。
だけど、その衝動を無理やり押し殺し、何が打ち込まれているのか見ようとパソコンの前に行き画面を覗く。
『うっう……うっ。
喉から嗚咽が漏れ、頬を何か熱いものが伝う。
胸が締め付けられる。
だんだんと視界がぼやけてくる。』
その文を読んだ瞬間、心の底から怒りが湧いてきた。
「ぼ、僕のアイーダたんを泣かせるなんて!!あいつ……金髪のイケメンで格好いい剣まで付けて上げたのに、その恩を忘れて僕のアイーダたんを泣かせやがって。いやいや、そんなことよりもアイーダたんを慰めてあげなきゃ。大丈夫だよ。アイーダたん。あいつなんかよりもっと恰好良い男を書くからね?」
僕はパソコンに話の続きを書き始める。
キーボードの上を僕の指がいつもよりも軽快に走る。
……よし、これでアイーダたんも慰められた筈。
眠いし、もう寝ようかな?
寝る前にお風呂に入ろうと浴室へ向かう作者の後ろではまだ、パソコンのキーボードは勝手に打ち込まれていた。
作者の見た目はデブで脂ぎった男を想像して欲しい。