↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/18

11.ふたり分の気持ち


 毎日少しずつ凪紬くんに渡すクマちゃんを作っている。お洋服のデザインも決まって型紙を作り裁断して縫ってる。


 このイメージしたものが出来上がっていくのがぼくは大好き。

 ミシンをかけながらここの糸は赤の方がいいかな?なんて考えたりしながら少しずつ出来上がっていくクマちゃん。


 少しずつ形になっていくクマちゃんを撫でる。


 凪紬くんが喜んでくれる姿を想像してみる。


 (あの、ひまわりみたいな笑顔かな)


 頭の中でぼくが好きな笑顔が浮かぶだけで、笑顔が溢れる。


 その時、大事なことに気がついた!

 凪紬くんに告白するときにプレゼントするクマちゃんしか作ってなかった。


 (ぼくも同じ……クマちゃんがほしい)


 告白した時に、ぼくのもあるよ。

 お揃いだよ。そう言いたくなった。

 


 (危なかったぁぉぁあ)

 (たろうてば!またうっかりさんするところだった!)


 よし。と頷いた。


 もう一つペアを作ろう。

 そう決めた。

 

「たろちゃ――ん。ご飯できたよ――」


 凪紬くんが玄関からぼくを呼んでる。

 ぼくが作業に集中してるときは凪紬くんがご飯を作ってくれる。


 凪紬くんには、課題のお洋服を作ってるそう説明してる。

凪紬くんに隠し事したくない。


 本当は手を繋いだくまちゃんを作ってる。

 凪紬くんに告白するために。

 くまちゃんのお洋服を課題で作ってるお洋服として説明してる。


「凪紬くん。ありがとう。お部屋いくね」


 今凪紬くんに作業してる部屋に入られたら、くまちゃん作ってるのバレちゃう。

 急いでミシンをかけてる手を止めて、電源を落として部屋から出て凪紬くんのところにいく。


 凪紬くんが玄関で待ってくれてる。

 ぼくの前にパッと両手を広げてる。


 ぼくはそのまま凪紬くんに近づいて凪紬くんに抱きつく。


「へへっ。たろちゃん最近お洋服作るの忙しそうだもんね。ぼくに抱きついてくれないから、ぼくから催促することにした」


 そんな風に笑って言う凪紬くん。


 最近の凪紬くんは、ぼくにぴったりくっついてくれる。こんな風に手を広げてぼくが抱きつくのを待ってくれたりもしてる。

 


 大学にもあの日1回だけじゃなかった。


 週に2回ぐらいは凪紬くんがぼくを大学まで送ってくれてる。

 いつも凪紬くんは大学までの道のりを歩く時はキョロキョロしてる。


「凪紬くん、誰か探してるの」

「たろちゃんが普段歩いてる道とか様子が知りたいから見てるだけ」


 その言葉を聞いた時、早く凪紬くんの正式な1番になりたい。

 クマちゃん、あと何日でできるかな。と頭の中で計算をした。



 

「できた!」

 ようやく凪紬くんに渡すクマちゃんがついに完成した。たろうのクマちゃんはたろうが好きな緑色のTシャツで胸元に凪紬くんのMを刺繍してズボンのポケットにはたろうのTを刺繍した。


 凪紬くんのクマちゃんは凪紬くんが好きなオレンジ色のTシャツに胸元はたろうのTを刺繍し、ズボンのポケットには凪紬くんのMを刺繍してお互いの名前が入った。


 二体のクマちゃんは手を繋いでる。


 机に置いて、完成したらクマちゃんたちを眺める。



 (うん。いい。たろうと凪紬くんみたい)



 ついに凪紬くんに告白できる。

 そう思ったら胸の中がじんわりと温かくなる。

 

 そっと優しくクマちゃんを持ち上げて胸に抱き締める。 

 

 (凪紬くん喜んでくれるかな。たろうの告白受け入れてくれるかな)

 



 次の日。


 講義室に入っていつもの席に座りカバンからノートやペンケースを出し授業の準備をしてたら、さっちゃんが隣に座った。


「さっちゃんおはよ」

 今日のさっちゃんは青い髪をポニーテールにして、緑のサロペットを着てる。


「今日はボーイッシュな服装だね。それも似合ってる」

「いいっしょ。これ夏に向けてサロペット作って見たけど、私のお気に入り」


 服の話もしたいけど、今日はさっちゃんに報告したいことがある。


「さっちゃん。あのね……ついにクマちゃん完成した」

 カバンからスマホを取り出し、昨日完成した凪紬くんに渡すクマちゃんの写真を見せる。


「たろースマホ触っていい?」

「うん。はい」


 さっちゃんにスマホを渡す。

 さっちゃんは「ありがと」そう言いながら早速完成したクマちゃんを見てくれてる。


「やばい。これ超いいじゃん。このお互いの好きな色をTシャツにしてて、お互いのイニシャルが刺繍されててもうヤバヤバじゃん。しかも二体が手を繋いでるとかラブラブ感じまくりっしょ」

 さっちゃんが画面を見ながら褒めてくれる。


「ありがとう。刺繍したらとさっちゃんが提案してくれたおかげで2人のイニシャル入れられたんだよ」


 さっちゃんが、せっかく気持ちを伝えるために作るんだし、きっと今後それを2人ともかばんにつけるだろうからそれなら2人のイニシャル刺繍したらと提案してくれた。そのおかげで完成できた。

 


「みんなぁ――!たろーついに完成させたよぉ」

 さっちゃんが座っていたのを立ち上がる。


 たろーのスマホを手に持ち掲げてみんなにアピールしてる。

 さっちゃんの声を聞いた子たちが、ついに!きゃ――!なんて言いながら集まってくる。


「沙月ほらみんなに見せてよ」


 さっちゃんは、ぼくに見せていい?と確認をしてくる。

 ぼくもうなずく。


 スマホを預かりみんなが見やすくなるようにスマホを中心に取り囲んで写真を見てる。


「可愛い――!こんなのもらって告白されたい。なっちゃんが羨ましい」

「たろー本当ぬいぐるみとか服作らせたらやばい。超いいのができてる」


 ぼくのこと見て親指をグッ――としてくれる。


 他のみんなも口々に褒めてくれ、ぼくに告白頑張ってねと励ましてくれる。

 みんながひとしきり写真を見終わって、さっちゃんがぼくにスマホを返してくれた。


「たろースマホありがと。まっっじで良かった。このクマちゃんもらって告白されたらなっちゃん絶対嬉しいと思う。たろー頑張れ」


 たろうにガッツポーズして応援してくれるさっちゃん。

「ありがとう。たろう次はもう失敗しない!頑張って凪紬くんに気持ち伝える!」


 みんなが褒めてくれたことでなおさら自信がついた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。