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カミサマのどこを信じているの【相楽来夢1】




「お姉」

呼びかけに返事がない。どうやらまだ眠っているようだ。

時刻はすでに午前八時になっている。朝のホームルームを飛ばしたとしても、九時からの一限目には間に合わないだろう。お姉は朝の身支度に一時間以上かけているから。

布団の中で丸まって寝ているお姉にもう一度呼びかけ、起きないことを確認すると静かにドアを閉めた。自分もそろそろ家を出なければホームルームに遅れてしまう。

お姉は出席状況もそんなに悪くないし、そのうち店長が起こすだろうと考えながら、裏口から外に出て自転車にまたがった。少し暑い。そろそろセーターの時期も終わりだろう。

お姉は昨日も朱雀店に行ったようだ。よくも懲りずに行くと思う。そして帰ってきてあのざまだ。おそらく夕飯も食べていないだろう。お姉が起きたら店長が何か作ってくれるとは思うが。

お姉の感情は私には理解できない。何故あんなに一途になれるのだろう。何故何度も立ち上がるのだろう。そのまま座り込んでいれば楽なのに。

そうだ、もっと楽な道があっただろう。そう思うと、お姉が可哀相で仕方がなかった。たった一人の男の為に、いったい何年の時を無駄にしてきたの?

だから私はお姉を応援できない。お姉に幸せになって欲しいから。




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