80 ナトラ王国
今日は、アラマンダがナトラ王国に向けて出立する日だ。
すでにナトラ王国に百名近くの復興支援員としてシーダム王国から人が派遣されているので、アラマンダが一人で赴き、現地にてフレッドと合流する手筈になっている。
ルートロックの指輪から出て来たドラゴンはすでに、城の屋上で待機していた。
「アラマンダ。昨晩はその……すまなかった。体調はどうだろうか?」
再び離れ離れになってしまうアラマンダと離れがたくて、ルートロックは一晩中抱き続けてしまった。
「ご心配なさらないで下さい。たくさんの愛をいただき幸せです。私も殿下としばらくお会いできないので、たくさん刻んでいただきありがとうございます。うふふふ」
アラマンダの身体中にはルートロックの唇の痕がついている。しばらく消えることはないだろう。
二人ともファイ国のように捕らえられたり、不足の事態が起きた経験があるので愛せる時にはしっかり心ゆくまで愛を堪能したかったのだ。
「アラマンダ。もし、何かの陰謀に巻き込まれそうになったら、すぐに脱出するんだぞ。ドラゴン様もいつでも呼び寄せていいからな」
ルートロックはアラマンダの髪を一房とり、そっと唇を寄せる。
「かしこまりました。今回の目的はあくまで被災地へのお見舞いです。まぁ、治水工事の話ももう少し煮詰めたいとは思っておりますが、できる範囲で行って参ります」
「あぁ、くれぐれもムガタには気を付けるんだぞ。何を企んでいるのかはメオ様に探ってもらいアラマンダが直接動くことはないようにな」
「はい、殿下。それでは、行って参ります」
ルートロックは、もう一度強い抱擁とキスをしてから、アラマンダの無事を願って送り出した。
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メオ様は、今回は可愛い白猫の姿でアラマンダの腕に抱えられてナトラ王国に入国をした。
アラマンダとメオが向かったのは、被害が一番大きかった領地の領主の館だ。
フレッドがアラマンダの訪問をガルーム第二王子に伝えたところ、領主の館の近くにある貴賓館に滞在するように段取りをしてくれた。この館には、すでに支援員として派遣されているシーダム王国からの公爵子息、侯爵当主など上位貴族が滞在しているのでアラマンダの警護もしやすい環境にある。
被災地ということもあり、半壊している建物から貴金属や金銭など金目の物を盗みに入ったり、家を失い、外で生活をせざるを得ない人をターゲットに、彼らが寝ている間に荷物を漁るなど治安はかなり悪化してしまったようだ。
だからこそ、アラマンダの警護を強化して安全を確保できるように配慮してくれたのだろう。
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