49 対策の提案
「わかりました。……他にも蝗害に対する対策は取られているのでしょうか?」
「……卵と成虫を見つけ次第駆除しているくらいでしょうか」
アラマンダのそれだけでは、食糧難はまだ続くだろうと考える。
(確か……昆虫は明るいところに寄ってくるわよね……コンビニの電灯や自動販売機の光に夜になるとよくぶつかってきていたわよね……火に虫を誘い込むことを提案した儒学者がいたはずだわ)
前世の知識から、アラマンダは別の方法も提案してみる。
「まだ、ババタの特性を存じていないので効果があるのかはわかりませんが、日暮れの時間から松明を焚いて飛んでくるババタを誘い込む……という方法をとってみてはいかがでしょうか? あとは、空を飛行する動物か……そう言った物はございますでしょうか?」
(前世だとドローンとか、ラジコン飛行機で農薬散布ができていたから、人の害にならない殺虫剤を幅広い範囲で散布したら良さそうだけれど……。さすがにシーダム王国の聖獣であるドラゴン様にはお願いできないから、この国にもそういうコントロールができる物が存在していれば、いいと思ったのだけれど……)
「空を飛行するものですか……私の聖獣は鳥なのですが、そういった類でしょうか?」
「まぁ、鳥ですか! いいかもしれませんね!」
(でも、こんなに簡単に他国の、しかも王族に自分の聖獣を教えてしまっても大丈夫なのかしら?)
アラマンダは他人事ながら、ホイホイと聖獣の正体を明かして良いものなのかとユイン第五王子の発言にドギマギする。
それが、顔の表情に出ていたのだろう。
「ルートロック王太子殿下。奥様のアラマンダ王太子妃殿下はとても表情が豊かなのですね。こちらの王族の心配までしてくださっているということがお顔に出てしまっていますよ」
「……そうなのだ。それが妻の可愛らしい部分なのだが、王太子妃として表情に出るのは……な」
「し、失礼致しました! でもババタ用殺虫剤ができれば、ユイン様の聖獣にお願いして空から散布していただくこともやってみてもいいかもしれませんわ」
「確かに! アラマンダ王太子妃殿下のおっしゃる通りですね」
「貴殿の国に浮遊魔法を使える者がいるならば、その者に空から散布をお願いしたり、殺虫剤の袋を浮かせて散布してもらう……ということもできるんじゃないのか?」
ルートロックもアラマンダの提案に更に、別の方法があることを教えてくれる。
「さすがですわ!」
アラマンダは自分の知識の不足しているところをさらりと補ってくれるルートロックを尊敬していた。
「シーダム王国の王太子ご夫妻は、本当に聡明でいらっしゃいますね。早速、その方法も検討したいと思います」
そこまで打ち合わせをすると、三人の話し合いはひと段落して解散となった。
ユイン第五王子の計らいで、今晩は王城の貴賓室に泊めてもらうことになった。
お読みいただきありがとうございます。
「面白いな」「続きが読みたいな」と感じでいただけましたら、ブックマークや↓の★★★★★の評価を宜しくお願い致します。
星5つから星1つで評価していただけます。
執筆の励みになりますので。何卒宜しくお願い致します。




