44 蝗害対策
アラマンダは私室に戻ってきてから、聖獣メオと今回のファイ国の旅について話をする。
「メオ様。本当にファイ国では食糧難に陥っているとお思いですか?」
聖獣であるメオ様はヒゲを前足で撫でつけ、しばらくしてから返事をする。
「ん~。多分、食糧難なのは本当だと思うにゃ」
(もしや、あのおヒゲは何かしらのセンサーになっているのかしら?)
そんな疑問がアラマンダの脳裏に浮かび上がる。
「それでしたら、私の聖獣が猫であるメオ様だからシーダム王国に助けを求めてきたという可能性もありますか?」
「ん~。そこまではわからないにゃ。我の力をどこまで調べているかは……行ってみないとわからないにゃ」
もともと、『聖獣召喚の儀』で猫様を召喚したいとアラマンダが望んだのは……猫の神様は豊穣の神様でもあるからだ。
アラマンダは、まさか「シーダム王国の王太子妃が豊穣の神様を召喚した」と理解した上で、わざわざ国交もないこの国にまで助けを求めてきたのかどうか、それが知りたかったがメオ様にもそこまではわからないらしい。
(前世の記憶でも、確かにバッタの大量発生で食糧難になっている国があったわよね。……その時はどうやって駆除したのだったかしら……蝗害……よね。思い出せるだけの知識で対応できるかわからないけれど、できそうなことをやってみるしかないわよね。あとで書庫でもファイ国について調べておかないといけないわね)
ルートロックとアラマンダの二人で対応できそうな蝗害対策だけお伝えして、さっさと帰ってこようと心に決める。
(私自身がまだメオ様の能力を把握しきれていないのに、メオ様の能力を他国に見せるのは危険かもしれないわ。聖獣であるメオ様か、もしくは王太子妃である私の身柄を拘束しようとすることも出てくるかもしれないわ)
ルートロックが危惧していた通り、ファイ国に関する情報があまりに少なすぎるのだ。
そこで、アラマンダは一つの考えに思い至り、メオにいくつか質問をする。
「ファイ国は、メオ様の能力をどこまで知っているのかはまだ不明ですよね?」
「そうだにゃ。行って様子を見てみないとわからないにゃ」
「……ということは、白い可愛らしい猫のお姿を顕現した状態でお連れするのは……あまり良いことでは……ありませんよね?」
「むむむ。そうかもしれないにゃ」
「あら? で、あれば早速、この指輪の中にメオ様は隠れて、私と一緒に行くという方法が良いと思うのですけれどいかがでしょうか」
「……仕方がにゃいけれど……それがいいかもしれないにゃ……」
(やったわ! 早速、ルートロック殿下が依頼して王宮魔導士に作ってもらった指輪が役に立ちますと殿下にお伝えるできるわね! きっとお喜びになりますわ!)
アラマンダは聖獣の住処となる指輪を作ってくれたルートロックの優しさが、すぐに活躍できることを嬉しく思って心の中で歓喜の拳をふりあげた。
「本当は……自由に歩き回りたいにゃ。本当は」
指輪を眺めて喜んでいるアラマンダの横で、残念そうな顔をしているメオにアラマンダが気付くことは……無かった。
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