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【連載版】服毒して生き残った王太子妃は国士無双って本当ですか? ~白猫モフモフとほのぼの解決!~  作者: 龍 たまみ
服毒して生き残った王太子妃が山岳民族に求婚されたのは本当なのか?
33/80

33 求婚に対する答え

 アラマンダと聖獣メオは、「天候が良くなったので家に帰ります」と洞穴のみんなにお礼を告げて、再びルートロックの聖獣ドラゴンに乗せてもらい王城に戻って行った。


「アラマンダも大変だにゃ。求婚されておったが、どうするにゃ?」


 ドラゴンの背中の上でメオは、アラマンダに今後のことを尋ねてくる。

 ドラゴンも洞穴の近くで「目くらまし」の『隠ぺい魔法』をかけた状態で、ナウとアラマンダが二人並んで歩いているのを見ていたので、メオの「求婚された」という言葉を聞いて驚き、空を移動しながらアラマンダの方を振り返ってくる。


「こら! ドラゴン! 急に振り返ったら我とアラマンダが滑り落ちるではないかにゃ!!」

 メオは、急に身をよじったドラゴンに気を付けるように注意をする。


「メオ様、そしてドラゴン様、ご安心下さい。私はルートロック王太子殿下の妃ですから、彼を支えることしか考えておりませんわよ?」

「それにゃら良かった~」


 そんな恋愛話をしながら無事に王城に戻った日の夜。


 ■■■


「アラマンダ!!!」


 突如、夫婦の寝室に飛び込んできたのは、王太子のルートロックだった。

 ルートロックの切羽詰まった顔を見て、山岳地帯での報告書を書きあげて追加することがないか読み直していたアラマンダも慌てて椅子から立ち上がる。


「どうかなさったのですか?」

「アラマンダ……山岳民族に……求婚されたというのは本当なのか?」

(あら? もう私が説明する前に話が殿下の耳に届いてしまったのですね。今晩、ルートロック殿下には直接お話ししようと思っておりましたのに)


 アラマンダは、誰がルートロックに説明したのか気になるけれど、聖獣猫のメオとルートロックの聖獣ドラゴンしかその件を知っている者がいない。

(メオ様はルートロック王太子殿下と人語でまだ会話していないとおっしゃっていたから……ドラゴン様がお話になったに違いないわ。……ということは、ドラゴン様とルートロック王太子殿下も二人でいる時は人語で会話なさっているのかしら?)


 血相を変えてアラマンダの返答を待っているルートロックが目の前にいるというのに、のん気なアラマンダはドラゴンの能力について考えてしまっていることに気が付き、慌てて意識を引き戻す。


「えぇ、その求婚話は真実でございます」

「……」

 更に困惑した表情を浮かべ動揺したルートロックを見て、アラマンダは自分が愛されているのだと感じることができる。


「……返事もまだしていないというのは……本当なのか?」

 俯き加減で、アラマンダがなぜ返事をしないのか戸惑っている様子がルートロックからひしひしと伝わってくる。


「はい。他にやるべきことをやってからお返事をするべきだと思い、一度、持ち帰って参りました」

 そのアラマンダの返事を聞いて、なぜか離縁の手続きをされると思い込んだルートロックは、彼女にどれだけ惚れているのかツラツラと語り出した。


「私の愛情表現がまだ足らないのであれば、もっとそなたに伝わるよう努力しよう」

「いいえ、ルートロック王太子殿下に愛されていることは十分承知しております。私は離縁などいたしませんよ? どうぞご安心なさってくださいませ」


 ルートロックの両頬にアラマンダは両手を添えて彼の瞳を覗き込んでから、自らルートロックの唇をキスで塞いだ。アラマンダはルートロックに久しぶりに出会えた喜びを深いキスで伝えてみたくなったのだ。


「……私が、愛しているのは殿下だけですよ? この報告書を書いて殿下に許可を頂いてから、再びあの山岳地帯に行こうと思っておりましたの」

 そう言って、アラマンダは自分の考えた対策を記載した提案書付きの報告書をルートロックに手渡すと、安心したルートロックは額に右手を添えて、溜息をつきながら寝台にポスンと腰を下ろした。


 アラマンダの提案書には、山岳民族の少子化と衰退、一妻多夫制度の現状が書かれており、それに対する対策案が書かれていた。


 まず、山岳民族には三つの部族があり、それぞれが独自の民族語を話すため、会話が成り立っていないこと。そのため、王国が山岳地帯に学校を作り、共通語として王国語を学べるように支援することで、王国語を学べる機会を設けて山岳地帯以外の職についたり、自分の民族以外と交流することで出会いの機会が増え、婚姻率を上げること。自分たちが洞穴で作った手作り品を王都で販売するためも販路拡大にもつながることなどが書かれていた。


「あとはですね。メオ様の御力を分け与えた多産、子孫繁栄の神様を作りましたので、その加護が大きく得られるのではないかと思っているのです。そうすればきっと安泰だと思いますわ」


「そうだな。あと付け加えるなら、彼らにこの王国の民として国民権を与えるかどうかくらいかな。それができたら王国医療も受けられるようになるし、生存率も上げていけるかもしれないな。まぁ、それと引き換えにこの王国の税の負担は発生してしまうが」

「そうですわね」


 その後、ルートロックとアラマンダはこの案をまとめ上げ、再び山岳地帯を再訪した。

 今回はルートロックも同行するが、彼も王太子という身分を伏せて村人を装いアラマンダの夫だという説明をするために訪れた。


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