26 脱出方法についての疑問
「ドラゴン様に乗るとあっという間に帰城できますのね」
その後、ルートロックの聖獣ドラゴンにルートロック、アラマンダ、メオが乗せてもらい先に城に戻ってきた。
アラマンダの衣類はほふく前進をしたおかげで、汚れがひどく早く王都に戻ろうとルートロックが判断したからだった。
アラマンダは温かい湯に浸かり、疲れをほぐした後の寝室でルートロックにあることを尋ねられていた。
「なぜ、そなたはほふく前進で現れたのだ? 息を止めて走って飛び出した方が少しでも早く外の空気が吸えるから安全だと思うのだが」
「ええ。確かにそうした方が良い場合もございます。しかし、駐屯地である実験をしてわかったのですが、あの有毒な物質は空気よりも軽いので、立っている方が致死率が高くなるのです」
「そなたは、あの短時間で毒の性質も調べていたのか……さすがだな」
「うふふふふ。恐れ入ります。服毒して生き残ったから王太子妃になったのでしょう? でしたら、新たな毒に遭遇してもすぐに研究するのも私の勤めでございますわ」
「はぁーーーーーーー」
(アラマンダのそういう果敢に立ち向かう姿に惚れたというのに、これは……心配と紙一重だな)
ルートロックは、素晴らしい女性と出会い婚姻を結べたことを喜びながらも、愛しているからこそ、これからもこのような心配は尽きないのだろうなと自分の弱点を見つけてしまう。
「あとは、今回の駐屯地の近くのあの村に乗馬できる場所を見つけまして、ナルモ副団長の協力のもと、月に1,2回だけですが老若男女問わず村人の乗馬訓練を行って下さることをお願いして参りましたわ」
「……そなたは、今回、毒の原因を突き止めただけでなく、乗馬教育の場も見つけて解決してしまったのか?」
ルートロックは、有能すぎる妻に驚きを隠せない。まさか、先日、相談していた平民にも乗馬ができる場所や機会が作れないかを検討しようという課題を、さらっと解決してきてしまった。
「アラマンダ。私はそなたを愛しているが……そなたの勇ましい部分を見てしまったから……もうそなたがいないと生きていけないかもしれないな」
「まぁ! 嬉しいですわ。私も今回はルートロック殿下の心配してくださるお顔を拝見できまして、とても幸せでしたわ。ありがとうございます」
この後、久しぶりの二人きりの時間を大切に長い長い夜を過ごした。
翌日。
サルフ宰相が「アラマンダ王太子妃殿下が毒に侵された村を救ったのは本当ですか?」とルートロックに確認してきたのは、言うまでもない。
サルフは王室の記録に今回の出来事を書き記し、王太子妃の功績と駆けつけた王太子との話まで事細かく後世に伝えることに成功するのである。
お読みいただきありがとうございます。
続きが読んでみたいなと思っていただけましたら、ブックマークや↓の★評価をしていただけると嬉しいです。




