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第11話


 第11話「風邪とお隣さん②」


 私はおかゆの用意をしてすぐに文也くんは起きた。


「文也くんおはよう、お腹すいた?」


そう聞くと文也くんは首を縦に振った。寝ぼけていて完全に起きた感じでは無かった。私がおかゆを持っていくと文也くんは座ったまま目を瞑っていた。


「じいちゃん、じいちゃん」


文也くんはそう言っていた。


「文也くんおかゆ食べるよね?」


文也くんはまた首を縦に振った。


「自分で食べれる?」


文也くんはまたコクと首を振った。なので私は机の上におかゆをおいて立ち去ろうとしたとき文也くんがそのまま食べようとしたので危ないと思い、ふうふうとして文也くんに食べさせてあげた。


「美味しい?」


またコクと首を振った。良かったと思った。その時に私は思った。これってあーんじゃん。そう思うとなんだか照れくさくなってきた。全部食べてしまうと文也くんは眠たそうにしていた。


「寝る前に熱測ろう」

「うん」


目をこすりながら返事をした。37.6度だった。さっきよりは少し下がったがまだ熱はある。おかゆの皿を洗ってから文也くんのところへ行くとぐっすり寝ていた。近くに寄って


「私帰るね」


そう言うと文也くんが私の服の袖を掴んでいた。そして


「千乃さん、千乃さん」


私を呼んでいた。一人でいるのは不安なのだろうか?


「仕方ないな、少しだけいてあげるよ」


そして私は文也くんの手を握ってベットの近くに座った。


 私まで寝ていた。外が明るいので朝なのだろう。手を握ったまま一晩中過ごしていたようだ。私が手を離してカーテンを開けて少ししたときに文也くんは起きた。


「おはようございます」

「おはよう、元気になったかい?」

「熱測ってみます」


僕の熱は下がって平熱くらいになっていた。千乃さんのおかげだろう。よく覚えてはいないが、看病していてくれたのだ。それに千乃さんはスーツのままなので一晩中そばにいてくれたのだろう。千乃さんに迷惑をかけないように姉さんに連絡したが姉さんは来てくれなかったみたいだ。仕方ない姉さんだって暇ではないのだから。姉さんを責めるつもりはない。


「熱は下がってる?」

「あー、平熱に戻りました」

「よかったね」

「本当にありがとうございます。昨日は一晩中看病していてくれたんですよね?」

「うん、だって文也くんが私の袖を掴んで私の名前を呼んでたからね。かわいかったよ」


 俺はなんてことをしてしまったんだ。


「今度お礼しますよ」

「え〜、何してもらおうかな~」



今回も読んでいただきありがとうございます。

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