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第59話


 第59話「さよならとお隣さん③」



 僕は覚悟を決めてじいちゃんの病室に入った。入ると姉さんがもういた。


「覚悟が決まったみたいだね」

「うん」

「そう、後悔しないように話したいだけ話しなさい」

「分かった」


 そう言って僕はじいちゃんの近くに座った。


「ねぇ、じいちゃん本当に死んじゃうの?」

「………」


 じいちゃんは目を瞑ったまま何も反応はしない。


「俺じいちゃんに話したい事も話さなきゃいけないこともたくさんあるんだよ。旅行の話も正月の話もしたいんだよ。僕がおみくじで凶を引いちゃったからかな?ごめんね。でも最後にこれは言わなきゃいけないね。父さんと母さんがいなくなってからおばあちゃんと一緒に僕ら姉弟を育ててくれてありがとう」


 そう言い終わった時にじいちゃんの目があいた。そして僕と姉さんにこっちに来いと弱々しい手をこっちに振る。そして僕と姉さんが近づくとじいちゃんが僕と姉さんを抱きしめた。


「ありがとうはこっちのセリフじゃ、お前ら2人はわしにとっての最高の孫で宝物じゃよ」


 そう言ってじいちゃんは眠りについた。そして僕と姉さんは涙が止まらなかった。泣いても泣いても涙が落ちてくる。僕らは抱き合ってなき続けた。


 その後少ししてお医者さんが来て僕らにじいちゃんが死んだと報告に来た。


「文也、これで家族2人になっちゃったね」

「そうだな」

「私達は家族みんなの分まで長生きしようね」

「うん、長生きしよう」


 僕らはどれくらい泣いたのだろうか。来たときは日が昇っていたが今はオレンジ色になって沈んでいる。

それから僕らが病室から出るとまだ千乃さんがいた。


「まだ、待っててくれたんですか?」

「うん、おじいさんとはどうだった?最後に言いたい事とか言えた?」

「はい、後悔はありません」

「青星ちゃんも?」

「うん、後悔は1ミリもないよ。それに私達はこれからおじいちゃんがの最高の宝物として生きていかないとね」

「そうだな。じいちゃんの最高の宝物として」

「そっか、じゃあ文也くんと青星ちゃんはめちゃめちゃ幸せになった姿を天国のおじいさんに見せないとね」

「そうだね」


 姉さんは前を向いているのだろうか?僕はまだじいちゃんが死んでしまったという事を受け入れられずにいる。


今回も読んでいただきありがとうございます。

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