第52話
第52話「正月とお隣さん④」
「おはよー」
私は目をこすりながらリビングに入った。
「あけましておめでとう」
「あっ、そっかあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
お母さんがおせちを持ってきた。
「おせちですか〜、正月って感じだね。昔から千乃は昆布巻き好きだよね」
「好きだよ。そう言う姉さんは栗きんとん好きだよね〜」
「だって美味しいもん」
「これ食べ終わったらみんなで初詣に行きましょうか」
「いいな、行こうか」
その頃文也たちは
「文也初詣行く?」
「今日行くと混んでない?」
「まぁ、そうだけど……行かない?」
「まぁ、いいよ」
「よっしゃ~、行こう―」
そして僕らは朝ご飯を食べて少し支度をして近くの神社に向かった。僕らの朝ご飯は元旦だからといって特別なものは無かった。
「行くよ〜」
僕らは神社に行った。神社に着くとまたあの男の子がいた。
元旦ということもあり混むことを覚悟して行ったがいつもよりは人が多いくらいでめちゃめちゃ多いというわけではなかった。そこには千乃さん達がいた。千乃さんもこちらに気づいたようだった。
「あっ、おお〜い、文也くーん青星ちゃーん」
「千乃ちゃんあけおめ〜」
「千乃こちらの方は?」
「あ〜、この人はマンションがお隣の文也くんとそのお姉さんの青星ちゃん」
「これはこれはいつも千乃がお世話になってます」
「いえいえ、こちらこそ」
そんな会話をしている時に僕と姉さんはバッチリ目があった。その理由はお互いわかっているだろう。千乃さんが2人いる。
「ていうかさっきから思ってたんだけど千乃ちゃんが2人いる……」
「あ、これは私の双子の姉の菊華」
「どもども」
「千乃さんって双子だったんですね」
「千乃私用事を思い出したからお隣さん達と先に行ってて」
「お父さんとお母さんは?」
「アイタタタ」
「大丈夫ですか?お父さん」
「少しあっちのベンチで休んで来るよ。母さんついてきてくれんか?」
「分かりました。行きましょう」
私は一ノ瀬家の人達の察しの良さに驚いた。千乃ちゃんがこの人達の遺伝子をちゃんと受け継げていなかったようだなぁ〜、と思った。
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